永遠の夏をあとに 雪乃紗衣 (著) 東京創元社 (2022/7/20) 858円

田舎町に住む小学六年生の拓人は、幼い頃に神隠しに遭い、その間の記憶を失っている。

そんな彼の前に、弓月小夜子と名乗る年上の少女が現れた。

以前、拓人の母とともに三人で暮らしたことがあるというが、拓人はどうしても思いだせない。

母の入院のため、夏休みを小夜子(サヤ)と過ごすことになった拓人。

だが、サヤはなぜか自分のことを語ろうとしない。

拓人の記憶に時折よぎるのは、降りしきる花びらと、深山で鳴りつづけるバイオリンの音、月が狂ったように輝く海――なぜ俺はサヤを忘れてる?

少年時代のきらめきと切なさを描いた傑作。

「表紙の鮮やかな青みがかった緑色の、そのまんま、夏の匂いがする本でした。
ページをめくる度に、同じ夏を過ごしているような気分で、とても心地よかったです。
最初からどんどん引き込まれ、気がつけばぶっ通しで読み続けてしまいました。
読了後は自然と泣いてしまいました。
さすがは雪乃さん。彩雲国物語にレアリアに、いつも読み終わったあとは心が空っぽになります。
素敵な本をありがとう。」

「登場人物は、主人公の拓人を含むその友人や家族。主人公は小学校6年生だが、とても大人びた風に描写されている。幼少期から神社で神事の手伝いをして大人に混じっている理由らしいが、会話や態度がまるで名探偵コ〇ンの様な印象を受けた。

この世界は(恐らく)山岳信仰を背景に、物語は現実とは少し離れた様に感じるかもしれない。
しかし、子供と言うのは得てして、大人には見えないものを感じるのだと読み終えてから納得する部分もある。」

「久しぶりにページを良い意味でめくりたくないと感じました。はっきりとした起承転結や結末ではない部分もあるけれど不思議な多幸感のある読後です。
この作者は彩雲国の次に書いたレアリア1巻は少し【???】な部分が全面に出ていましたがそれ以降は面白いので是非」


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