「がんになって良かった」と言いたい 山口雄也(著)、木内岳志(著) 徳間書店 (2020/7/31)

病、死と向き合ったからこそ、自らの人生を見つめることができた。

SNSでつながる誰かに勇気やパワーをもらった。

自分も生きる元気を届けたい。

「がんになって良かった」

これは生き残った「がんサバイバー」としての言葉ではない。

著者が大学1年の冬、数ヶ月に及ぶ抗がん剤治療を乗り越えその先に待っていた、十時間を超える難手術に向かう前夜にブログに記した言葉だ。

その後も入退院を繰り返す著者は、どんな思いでこの言葉を発し、病と死に向き合い、そして人生について考えたのか。

病は決して不幸そのものではない。患者を可哀想だと言ってくれるな。

僕は僕の生き様を残し伝えていくから、あなたはあなた自身の命について考えてほしい。

僕は、今の僕が好きだ。がんになり、自分の思いを綴り、そして自らの人生について深く考えることのできる自分が。
(「まえがき」より)

残念ながら著者の山口さんは、この6月に逝去されました。

ただ、最期まで死と向き合い、前向きに生きた姿・言葉は読者の方々の勇気やパワーとなって広がっています。

「後悔しないように一日一日を大切に生きましょうという類の格言(?)は、その通りなんだろうけど、息切れしそうだから私には難しい。きっと私は病気になってからじゃないと日々を大切にできない人だ。それでも、この本を読んでからは、健康な時間がいかに貴重なものなのかというのが少し分かった。それよりも、彼の哲学とそれを表現する言葉に私は魅せられたから、私はこの本を読んでよかったと思った。彼はたたかうタイプの人だから、たたかわないタイプの私に沢山の刺激をくれた。文1つとっても色々なことが凝縮されているため読むのに頭を使ったけれど、抽象と具体のバランスが良く、読書が苦手な自分も最後まで読めました。私は彼のsnsを通じて本を知りました。snsを利用している人は、まずそちらを見て、雰囲気を掴むのもいいかもしれません。」

「その時々の心の動き、戸惑い、苦悩、全てを受け入れて俯瞰して色々な事を俯瞰して観ている山口君の凄さ。
とても読みやすく纏められ、心臓を鷲掴みにされる様な本です。」

「まだ10代の男の子ががんと診断されて怖くないわけがない、動揺して悩んで再発の度に絶望もして。
その中で10代ならそれまであまり真剣に見つめることも少なかったはずの自分の人生に向き合い、さらにほかの闘病している人に出会ってある時は死を目の当たりにしある時は回復の喜びも知って、病気になったことで初めて知った世界を通して「がんになって良かった」と言いたいという境地にたどり着く。そこまでにどれだけの涙を流したのだろうと思うと遠くで応援しかできないことが歯がゆい。
闘病をネガティブにだけとらえるのではなく、がんになった自分をありのままに受け入れてひたむきに生きることにまさしく命を懸ける若者の姿と覚悟に、胸を打たれないわけがない。
と同時に1日1日を大切に生きるというこの意味に気付かされる。
飾らないけれど丁寧に丁寧に言葉を紡いでいく文章に嘘偽りのない山口さんの人柄が浮かび上がり、あっという間に読んで涙してしまった。
心から山口さんには生きて再び病院から出て、溢れる知力と気力と感性でこれから後の人生をますます輝かせて欲しいと願うばかりです。」


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