陽だまりの果て 大濱普美子 (著) 国書刊行会 (2022/6/24) 2,420円

〈ないことないこと〉が書き連ねられた物語、この世の裏側に窪んだどこにもない場所。魅惑に溢れた異世界へ――

時空や他己の隔たりを超えて紡がれる、懐古と眩惑に彩られた幻想譚6篇を収録。

〈傾聴ボランティア〉の派遣先で出会った老婦人の作り話とも真実ともつかない昔語りと、主人公の過去現在が絡み合う交感の物語。(「ツメタガイの記憶」)

行きつ戻りつ繰り返される、老人の記憶の窓に映る追想。(「陽だまりの果て」)

老いを意識し始めた主人公が姉御肌の老女と出会い、かけがえのないものを託される。(「骨の行方」)

◆皆川博子さん 推薦!
「表現は静謐でかろやかでさえあるのに、内在するのは深く重い生と衰と死と哀と慈である。
個が認識するものが細やかに巧緻に描かれるとき、一見ありふれた日常が、貌を変える。
現象のうわべに馴染んだ目には異様と映る、それこそが、真実の相であろう。
満ち足りた思いで読了した。」

【目 次】
ツメタガイの記憶
鼎ヶ淵
陽だまりの果て
骨の行方
連れ合い徒然
バイオ・ロボ犬

著者について
1958年東京生まれ。1980年慶応義塾大学文学部文学科フランス文学専攻卒。 1987年パリ第七大学《外国語としてのフランス語》修士課程修了。1995年よりドイツ在住。2009年、「猫の木のある庭」を発表(三田文学)。著書に『たけこのぞう』『十四番線上のハレルヤ』(いずれも国書刊行会)がある。


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