日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題 片岡真伊 (著) 中央公論新社 (2024/2/9) 2,750円

文化の架橋者たちがみた「あいだ」

日本文学は「どうしても翻訳できない言葉」で書かれてきた、と大江健三郎は言う。

事実、谷崎も川端も三島も、英訳時に改変され、省略され、時に誤読もされてきた。

なぜそのまま翻訳することができないのか。

どのような経緯で改変され、その結果、刊行された作品はどう受け止められたのか。

一九五〇~七〇年代の作家、翻訳者、編集者の異文化間の葛藤の根源を、米クノップフ社のアーカイヴ資料等をつぶさに検証し、初めて明らかにする。

目次より
序章  日本文学翻訳プログラムの始まり――ハロルド・シュトラウスとクノップフ社
第一章 日本文学の異質性とは何か――大佛次郎『帰郷』
第二章 それは「誰が」話したのか――谷崎潤一郎『蓼喰う虫』
第三章 結末はなぜ書き換えられたのか――大岡昇平『野火』
第四章 入り乱れる時間軸――谷崎潤一郎『細雪』
第五章 比喩という落とし穴――三島由紀夫『金閣寺』
第六章 三つのメタモルフォーゼ――『細雪』、「千羽鶴」、川端康成
第七章 囲碁という神秘――川端康成『名人』
終章  日本文学は世界文学に何をもたらしたのか――『細雪』の最後の二行


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