星をつなぐ手 桜風堂ものがたり 村山早紀 (著) PHP研究所 (2020/11/6)

桜野町にある桜風堂書店を託され、仲間たちとともに『四月の魚』をヒットに導いた月原一整。

しかし地方の小さな書店だけに、人気作の配本がない、出版の営業も相手にしてくれない、などの困難を抱えることに。

そんな折、昔在籍していた銀河堂書店のオーナーから受けた意外な提案とは。

そして桜風堂書店を愛する人たちが集い、冬の「星祭り」の日に、ふたたび優しい奇跡が巻き起こる。

全国の書店員の圧倒的な共感を呼び、本屋大賞にノミネートされた『桜風堂ものがたり』感動の続編。

「この著者は本当に本や書店が好きなんだなあ・・・と感じます。読者にそう思わせるほど本に魅入られた人々の心象
風景をものの見事に表しています。時にメルヘンのように、時に抒情的に。そして登場人物たちの憧れや希望の矢の
向かう先は、山間にある桜霞に包まれた小さな町の書店へと。

読者は本書の中から強烈なラブコールを受けます。「あなたも本が好きなんでしょ」「こっちにいらっしゃいョ」と。」

「世界を見守る優しい精霊が紡いだような物語だ。老いと死を見つめる人だけが持つ、どこか現世を遠くから見つめるような気配。精霊は時々、猫の形をしているのだと思う。
主人公の一整は、働きなれた職場を離れざるを得なくなった後、桜風堂書店という古い書店に出会い、その書店と共に息を吹き返した。そんな「桜風堂ものがたり」の幸せなその後を描く。
書店や出版の業界は、移り変わる時世の影響を厳しく受けている。その業界にあって、本という星の光を守っている人たちが各地にいる。言葉こそ、世界の闇を照らす星だ。その文字に込められた想いが輝く星になる。人から人へ、人の手を経て届けられ繋がる星の光。いつか自分が死んだ後までも輝き続ける星になる。
頑張るものには、もっともっと幸せになってもらいたい。昔ながらのものが消えずに残り、弱いものは守られ、若い者は育ち、傷ついた者は癒され、年を取る者は賢く敬われ、得るべきものを手に入れ、あるべきところに収まるように。そんな当たり前にあってほしいことが、今はとても難しい時代に生きているから、切なくも幸せな気持ちになった。
人の心に寄り添い、いたわり、慰め、励まし、力づける、物語の魔法を感じてもらいたい。」


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