三河雑兵心得(七) 伊賀越仁義 井原忠政(著) 双葉社 (2021/10/14) 693円

信長、本能寺に死す!

驚愕の報せに慌てふためく家康主従。

突如、敵地と化した畿内を脱出するため、一行は「伊賀越え」を決意する。

本多平八郎とともに殿軍を務める茂兵衛に、落ち武者狩りや、天正伊賀の乱の復讐に燃える伊賀者が襲いかかる。

戦国足軽出世物語、三十六計逃げるに如かずの第7巻!

「お疲れ様です!出張、大変でしたね。最近トラブル続きで、休みなしですもんね。たまには有休とって、甲府の温泉とかどうすか?あ、行ったばかりでしたね。お体だいじにしてくださいよ、植田さん。みんな心配してるんですよ、大阪の案件まで頑張ってもらわないといけないから。てか、ここってけっこうブラックっすよね。」

「本シリーズも7作目となった。6作目の続きの要素もあるが、独立した一作品としての性格がより強い。この辺は本作で初めてこのシリーズを目にする読者への配慮と著者の技の冴えを感じてしまう。それにしても独立した一冊として読む場合に、前半の歴史に名高い家康主従の伊賀越えに主人公を参加させつつ微妙に別行動という描写の巧みさ。10数人による数時間単位・全体で数日の戦闘行動がしっかり描かれている。そして後半では数千人の人間による数日単位・全体で1月弱ぐらいの作戦や戦略という要素も加わりつつ局所的な場面の描写も冴えている。」


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