妻への十悔 城アラキ (著) ブックマン社 (2024/5/1) 1,980円

淳子さん――。

僕があなたを失って14年が経った。

あの日、あなたに言われて約束したよね。

「無理心中なんて嫌だからね。後追い自殺もダメ」。

僕はまだ、生きている。あなたを失った時間を――。

喪失の対象はさまざまだろう。

時に妻であり夫であり、子供であり、両親であり、祖父母であり、恋人や友人のこともあるはずだ。

ただ、唯一無二のかけがえのない「その人」。世界のすべてと交換しても、もう一度会いたい、もう一度取り戻したい。

そう思える誰か。

そんな誰かを失ったあなたに、読んでほしい。

あなたのためだけに本書を書き始めたい。

城アラキ

『バーテンダー』など数々のヒット作を生み出した漫画原作家の城アラキは、最愛の妻から突然の余命宣告を受ける。混乱して子供のように泣き出す夫と、どこまでも冷静な妻。

「ふたりだけのことだから、最後までふたりだけで生きたい」

妻の願いにより、残された数か月をほぼふたりきりで過ごす夫婦。

共に過ごした30年間の、更に濃密な3か月間。愛して、愛して、愛した妻の、最期の言葉――。

「淳子さんの心の本当の奥底にあった孤独感は、やはり僕には分からなかった」妻を失って壊れた心は、簡単には戻らない。

もう戻ることはないのかもしれない。それでも、美しくて、強くて、聡明だった淳子さんを残したい。

同じように誰かを失くした、誰かのために。

城アラキが2年以上の歳月をかけ、悩み、迷いながら綴った、妻への愛と後悔のエッセイ。

妻への十悔 目次
プロローグ 人生の地図
第1章 青山、1月。「無理心中なんて嫌だからね」
第2章 八ヶ岳、2月。「あなたには、絶対に我慢できないくらいの痛み」
第3章 八ヶ岳、3月。「二人で共に有る」
第4章 浜松、3月。「僕に、自殺の可能性はありますか?」
第5章 最後の部屋、4月。「愛おしくて、ならない」
第6章 「その後」を生きる
エピローグ 妻への十悔


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