自由の限界 世界の知性21人が問う国家と民主主義 鶴原徹也(編集) 中央公論新社 (2021/1/7)

エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、マルクス・ガブリエル、マハティール・モハマド、ユヴァル・ハラリ……。

世界の知性21人は混迷を深める世界と人類の明日をどう見るのか。

民主主義のあり方も、米中の覇権競争の行方も、グローバリズムの帰趨も、いずれも答えは一つではない。

そして、一つではないからこそ、耳を傾ける価値があるのだ。

第1部 「予言者」であることは難しい――エマニュエル・トッド
第2部 それでも欧州に期待する
第3部 「アラブの冬」と「帝国」の再興
第4部 世界の軸はアジアに
第5部 コロナ以後

「著者の読売新聞紙上での連載記事を1冊の本にまとめたのが本書である。フランス、アイルランド、スロベニア、ドイツ、マレーシア、タイ、中国、日本など、本書に登場する知識人達の顔触れは、洋の東西を問わず、非常にバラエティに富んでいると言える。語られる内容も幅広く、アメリカ大統領選を始めとして、イギリスのEU離脱問題、自由民主主義のあり方、世界における普遍的価値、アジア人の立場から見る世界、そしてコロナ禍まで、現在の世界が抱えている大方の問題は網羅されている。ただ、著者が言うように、全体的な構成にまとまりがないのが難点ではある。しかし、これ1冊を読むだけで、これからの世界の展望を開く一助になる事は間違いない。」

「新聞掲載時、鶴原氏の知性あふれるインタビュー記事を楽しみにしていた。いま再読しても、当時の知識人たちの分析は示唆に富む。書籍化にあたって加筆されたインタビュー冒頭の文は、知識人たちの人柄がきらりと描写されていて、発せられる言葉がさらに生き生きと響いてくる。」

「マハティール(1925年~)はルックイーストで著名なマレーシアの政治家(過去に首相)ですが、日本を最初に訪れた頃、日本人の会社への忠誠心を見て驚き、日本人が貧しい時代に醤油をかけた一膳飯で仕事に励んだことを聴き大いに感銘を受けたそうです。評者は醤油をかけた一膳飯で仕事、、、を読んでそんな時代が確かにあった、と感慨を覚えました。異国民の「ご意見」を聞くのは裨益するところ大、と思いました。お勧めの一冊です」


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