神の涙 馳星周 (著) 実業之日本社 (2020/12/4)

アイヌが暮らし、ヒグマが生きる北海道の大自然を舞台に描く

感涙の新家族小説!!

怒り、逃亡の果てにアイヌの地で何を見たのか

北海道・屈斜路湖。アイヌの木彫り作家・敬蔵と孫娘・悠の家に、尾崎雅比古と名乗る若い男が訪ねてきた。男は弟子入りを懇願。

初めは煙たがられていたが、敬蔵から木彫りを教わり、山に入るようになる。

しかし、男には誰にも明かせない過去があった――。

自然を尊んで生きる敬蔵、アイヌから逃げ出したい悠、自らの原点を探す雅比古。感涙の新家族小説。

「「不夜城」みたいなダメな男が深みに嵌まって…みたいな世界観を期待すると裏切られちゃいますが、先入観無しにアイヌの世界、北海道、今を生きる者の宿命…みたいな話と考えればとても面白く読めます。キャラクター描写も丁寧です。平野敬蔵さんが渋い!僕はこの、アイヌの世界観に引き込まれて、去年川湯温泉や屈斜路湖のあたりを旅してしまいました!キャラクター設定と話のベースは、高倉健主演山田洋次監督の名作「遥かなる山の呼び声」「幸福の黄色いハンカチ」を彷彿とさせます。両方見て読むと色々楽しめるかもです。」

「アイヌの魂が、現代において本当の意味で大切なものは何かを痛切に投げかけるようなストーリーでした。北海道が好きで何度も訪れて、その度に心が洗われていくのを感じます。阿寒で出会った聴覚障害のある彫刻家さんを思い出しました。その方の作品のシマフクロウ、眼に惹きつけられ今にも飛び立ちそうな感覚、この本に出てくるそれと重なりました。最後はやはり涙腺が緩みました。」

「北海道屈斜路湖湖畔の川湯温泉の町に住むアイヌの木彫り作家の平野敬蔵のもとに、突然東京から平野雅比古という青年が訪ねてくる。一方、敬蔵と二人暮らしの孫娘の中学生の悠は、亡母のように一刻も早くこの田舎町を出たいと思っていた。何か訳ありの青年と、アイヌである事に誇りを持つ敬蔵、そしてアイヌである事から逃げ出したい悠の3人が織りなす人間ドラマ。
自然サスペンスとありますが、そのような要素は殆どありません。諦め逃げることをせずアイヌである事を受け入れた悠、北海道の自然に触れアイヌの教え受けることで本当の自分を知る雅比古、そして過去を反省し偏屈頑固者から孫想いの優しいお爺さんになる平蔵、3人の葛藤が心に響くシンプルで純粋な家族小説です。」


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