軽いめまい 金井美恵子 (著) 講談社 (2025/1/13) 2,310円

郊外の住宅地にある築七年の中古マンションで、夏実は夫と小三と幼稚園児二人の息子と暮らしている。

専業主婦の暮らしに何といって不満もなく、不自由があるわけでもない。

けれど蛇口から流れる水を眺めているときなどに覚える、放心に似ためまい――。

1990年代の東京。「中産階級」の変わることのない日常。

2023年にポリー・バートンによって英訳され、ニューヨークタイムズやアトランティック誌で書評されるなど話題となった。

生活という日常を瑞々しく、シニカルに描いた傑作中編小説。

ケイト・ザンブレノ
「あまりに退屈で売春を始める主婦たちの話が気の利いた挿話として登場するように、たとえばブニュエルの、たとえばゴダールの、たとえばシャンタル・アケルマンの、売春する主婦たちについてのあらゆる映画への目配せがこの小説には見られるのだが、ただしこの小説の中では何も起こらず、退屈そのものがポイントで、じゃがいもの皮はただ剥かれ、皿はただ洗われ、けれど時々、ほんの時折、家事にまつわる瞑想的な瞬間、クラクラするような、あるいはぼうっとするような感覚がふと訪れることがあり、たとえば洗い物をしているとき、蛇口から紐のように絶え間なく流れ出す水や、流れていく水のきらめきに心を奪われてしまう、それこそがポリー・バートンによって「軽いめまい(ルビ:マイルド・ヴァーティゴ)」と訳出された感覚で、この言葉は小説の八番目のセクションのタイトルにもなっている。」
「解説」より

著者について
小説家。高崎市生まれ。1967年、19歳の時に「愛の生活」が太宰治賞候補作となり、作家デビュー。翌年、現代詩手帖賞受賞。小説、エッセイ、評論など刺激的で旺盛な執筆活動を続ける。小説に『プラトン的恋愛』(泉鏡花賞)、『タマや』(女流文学賞)、『兎』、『岸辺のない海』、『文章教室』、『恋愛太平記』、『柔らかい土をふんで、』『噂の娘』、『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』、『お勝手太平記』『カストロの尻』『スタア誕生』など多数。また第一エッセイ集『夜になっても遊びつづけろ』より『目白雑録』シリーズまで、エッセイ集も多数刊行している。


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