1984年に生まれて 郝景芳(カクケイホウ)(著)、櫻庭ゆみ子(翻訳) 中央公論新社 (2020/11/20)

ヒューゴー賞受賞作「折りたたみ北京」の?景芳が描く〈中国×1984年〉。

一九八四年、春。

天津市の工場でエンジニアとして働く沈智は、半年後に第一 子の誕生を控えていた。

ある日、友人の王老西から起業の計画を持ちかけられ、 一度は断るが、自分が間もなく三十歳になること、

毎日同じことを繰り返す日々 を過ごしていることにふと気がつき愕然とする――

二〇〇六年、春。軽雲は父・沈智の暮らすプラハに来ていた。

大学卒業を控え、 十年以上会っていなかった父に留学の相談をしに来たのであった。

父は優しく 娘の背を押すが、結局、軽雲は覚悟を固められない。

友人たちが目標に向かっ て邁進していくなか、軽雲は留学申請に失敗、知人の紹介で地元の統計局に職 を得る。

ところが、毎日同じことを繰り返す日々を過ごすうち、鬱を発症して しまう……

時代の大転換に翻弄され、ついには家族を置いて国を出る決断をした父・沈智。

代中国で自分の生き方を見失う娘・軽雲。選択しなかったもう一つの人生へ の憧憬。

二つの時代の中国で、人生の分岐をさまよい続けた父娘が描く円環の 軌跡の先に、物語は衝撃の結末を迎える!


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