漫才師が挑む笑いと涙と戦慄の起死回生物語
崖っぷちの中堅漫才コンビ、リンゴサーカスのボケ担当、加瀬凛太は、冬の寒空の下、絶望していた。
年末の漫才日本一を決めるKOM(キングオブ漫才の略)敗者復活戦で敗れ、決勝進出の一縷の望みを絶たれてしまったのだ。
おまけに相方は、今年ダメなら実家の生業を継ぐと公言していたため、コンビも解散となった。
浜口倫太郎さんの『ワラグル』#読了
笑いに人生を懸ける漫才師たちの物語。本気で生きているからこそ、人を笑わせる漫才ができる。「漫才は嘘なんやけど嘘ついとったらアカン」という言葉が好き。
テレビ画面越しでは分からない、彼らの舞台裏がリアルに書かれていて、そのドラマに胸が熱くなります。 pic.twitter.com/25EhwhUhmN— 館石直進 (@0711Naoyuki) July 15, 2021
なんとかして漫才を続けたかった凛太の前に、先輩KOM王者からある情報が寄せられる。
死神の異名を取る謎の作家ラリーがコーチに付けば、KOM優勝も可能だ。
事実、自分もそうして王者になれた、というものだった。
半信半疑でラリーの元を訪れた凛太は、来年決勝に残れなければ芸人を辞めろ、と告げられる。
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