神田川に沿った往来から一本、北へ入った道の東角、湯島横町の小さな表店。
小料理屋と間違えそうな設えで、「迷い猫、探します」という風変わりな看板があれば、そこが古道具「おもかげ屋」だ。
店主の柚之助はめっぽういい男だが古道具にしか興味がない。商いに精を出さずに、店に棲みついた猫と戯れてばかりだが、古道具にまつわる客の「困りごと」を解決してくれると江戸で噂だ。
古道具おもかげ屋/田牧大和/ポプラ文庫
古道具に宿ったおもかげを掬い上げ客の困りごとを解決してくれる「おもかげ屋」を舞台にした人情味溢れるお話。一部を除き登場する人達皆優しくて猫たちが可愛い。そして猫多め。シリーズ化するのかな?#読了 #読書記録#読書好き pic.twitter.com/zcKvpnwrgy
— あずとも (@tomoazaz) December 18, 2021
そんな噂を聞きつけた客や、「猫探し屋」のさよに連れられてきた訳あり客が今日も訪れる。
「古道具」を通して、そこに詰まった人の想いを解き明かす柚之助だが、どうやら彼自身も捜している古道具があるようで――
|