福岡県警工藤會対策課 藪正孝 (著) 彩図社 (2021/11/30) 1,650円

このとき野村会長から「北九州はいいとこでしょう」という言葉が出た。

私は「いいところだとおもってますよ。私は生まれも育ちも北九州だし、今も北九州に住んでいます。ただ、◯◯◯がなければもっといい街なんですけどね」と答えた。

「『やくざ』ですか……」野村会長が苦笑した。

前回の捜索時とは異なり、田上理事長も冷静だった。

野村会長も、年下だが警察の現場責任者である私には丁寧な話しぶりだった。

私が言った「◯◯◯」は伏字ではなく、そのまま「まるまるまる」と口にした。

意味合いとしては「ヤクザ」ではなく「工藤會」のことを指していたが、さすがに工藤會会長を前に多少の遠慮があったのだ。

著者について
藪正孝(やぶ・まさたか) 1956年北九州市戸畑区生まれ。1975年4月に福岡県警察官を拝命。刑事部門、暴力団対策部門に深く携わる。2003年3月、捜査第四課に新設された北九州地区暴力団犯罪対策室副室長への就任を皮切りに、主に指定暴力団「工藤會」対策に従事した。2016年2月に定年退職。同年4月、公益財団法人福岡県暴力追放運動推進センター専務理事に就任。2019年には、暴力団に関する正確な情報を発信するサイト「暴追ネット福岡」を開設した。著書に『県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実』(文藝春秋)。

「福岡県警サイドが工藤會対策の内情を明かしたのは初めてです。地方都市で起きていた警察と市民VS工藤會の戦争を知る貴重な資料です。」

「元警察官が書いた、日本で唯一の特定危険指定暴力団・工藤會と福岡県警との攻防戦の歴史である。次々に無辜の市民を殺傷していく冷酷非道な工藤會に対し、警察が行政や市民の協力を得ながら弱体化させていく過程は本当に背筋が寒くなるような迫力がある。」

「前作が面白かったので購入。うーん、、前作の文章を引用したりがあったのでそこまでボリュームを感じなかった。どちらかというと如何に工藤会を検挙するために警察機構内部で対策班を組織していったのか、という説明が多かったです。悪くはないですが工藤会とのやりとりの生々しいエピソードをもっと書いてほしかった。といっても貴重な文献であるのは間違いないです。」


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