危機の世界史 ダン・カーリン(著)、渡会圭子(翻訳) 文藝春秋 (2021/2/25)

破局はいつもすぐそこにある――。

新型ウイルスのパンデミックという事態を、世界中の誰が予期していただろうか。

しかし過去を見直せば、人類の歴史は文明の崩壊、強力な疫病、核戦争の脅威といった、破滅への曲がり角でいっぱいだった。

1億ダウンロードを誇る人気ポッドキャスト『ハードコア・ヒストリー』の語り手である著者は、古今東西の危機の時代を自在に往来し、人間と文明への疑問を投げかける。

大恐慌時代のアメリカや、軍隊国家時代のスパルタに生きた人は、平和で安心な時代の人よりも「タフ」だったのか。

紀元前1200年頃に青銅器文明を滅ぼしたのは、「海の民」の侵略か、それとも気候変動と干ばつだったのか。

史上空前の大帝国だったアッシリアが紀元前600年頃、あっという間に終焉を迎えた理由は何だったのか。

西ローマ帝国が「野蛮な」ゲルマン民族に滅ぼされた結果、文明は後退したのか、それともゲルマン人に引き継がれただけなのか。

14世紀のペストや、1918年のスペイン風邪のパンデミックが人類社会に及ぼした影響は、現代で再現されるのだろうか。

核開発競走やキューバ危機を経て、我々は核を制御する理性を身につけているのだろうか。

終末はどのように訪れるのか、恐ろしい時代は人間性をどう変えるのか。

ポッドキャストのパーソナリティならではの自由な語り口と、古今の資料に裏打ちされた意外なストーリーで「危機」という視点から再構成されるキャッチーな歴史読み物。コロナ後の世界の見方を変える一冊です。


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