こう見えて元タカラジェンヌです 天真みちる (著) 左右社 (2021/4/7)

清く正しく……おもしろく!?

100年以上の歴史を持ち「清く、正しく、美しく」をモットーに女性たちが歌い踊る宝塚歌劇団。

その美しさでファンを魅了するスターの隣には、角刈りの車引き・モヒカンのチンピラ・麻薬密売人などクセの強いおじさん役で唯一無二の存在感を発揮した名コメディエンヌ「たそ」の姿があった……。

一次敗退の翌年のタカラヅカ合格、先輩スターに囲まれ興奮の入団と次々にのしかかる試練、奇跡のSMAP×SMAP出演で「タンバリン芸人」になったエピソードなど、音楽学校入学から宝塚歌劇団卒業まで15年の月日をコミカルに描く。

「宝塚に新ジャンルを築いた」と言われた伝説の元タカラジェンヌによる、誰も知らない爆笑宝塚エッセイ。

宝塚歌劇団に在籍する生徒たちは皆、「トップスター」を目指し、日々精進している。

そんな華やかな世界で「私は」というと、主役の吸血鬼に血を吸われめちゃめちゃ狂う不動産仲介人を演じたり、裏で麻薬を密売している医者を演じたり、女装する医者を演じたり(医者多いな)、モヒカンの用心棒、角刈りの車引き、邪馬台国のみずら結いの人、常に半目(薄目)状態の右大臣等々……トップスターやスターを目指す方々からはだいぶかけ離れた「情報量の多いおじさん」を演じることを極めていた。

まさか、タカラヅカの作品にそんな人が出てくるなんて信じられない! と思う方もいらっしゃるだろう。

しかし、在団2年目ですでにおじさん街道まっしぐらだった私は、いかに「老けるか」を考えながら毎日を過ごし、卒業するまでにありとあらゆるタイプの「髭」をつけ、よりリアルな「シワ・シミ」の再現など、様々な「逆アンチエイジング」方法を見出したのだ……。

ここまで読んだ方はもしかしたら、「天真みちるは、おじさん街道を突っ走るために宝塚に入団したのか」?とお思いになったかもしれないが、受験当時はノールックの全く予想していなかった未来だった。

「第1場 偉大なるタカラヅカを凡庸な私が目指したキッカケ」より

「cakes掲載の時から読んでいて、携帯で横書き表示だった作品が書籍になっても違和感は無いのだろうか…と購入前は少し心配だったのですが、実際のところそんなものは1ミリも気にならないくらい面白くて、一度は全て読んでいた文章のはずなのに飽きることもなく最初から最後まで楽しめました!」

「ネットで連載されているときから楽しみに読んでいました。本になったら絶対買おうと思っていたら今回書籍化され、本当に嬉しいです。タソのようなタカラジェンヌが辞めてしまったのが悔やまれますが、現在多岐にわたって活躍しているのを見聞するとそれでよかったのだなーと、ますます応援したくなりました。」

「宝塚大好き、花組大好きなのでたその本は読みたかった本です。面白かった。テンポも良くて、あっと言うまに読み終わりました。たその人柄も分かったけど、舞台でのたそしか知らない自分にとって、驚きでした。次回を楽しみにしたいです。」


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