殺した夫が帰ってきました 桜井美奈(著) 小学館 (2021/4/6)

やっと手にした理想の生活だったのに……

都内のアパレルメーカーに勤務する鈴倉茉菜。

茉菜は取引先に勤める穂高にしつこく言い寄られ悩んでいた。

ある日、茉菜が帰宅しようとすると家の前で穂高に待ち伏せをされていた。茉菜の静止する声も聞かず、家の中に入ってこようとする穂高。

その時、二人の前にある男が現れる。

男は茉菜の夫を名乗り、穂高を追い返す。

男は茉菜の夫・和希に間違いなかった。

しかし、茉菜が安堵することはなかった。

なぜなら、和希はかつて茉菜が崖から突き落とし、殺したはずだったからだ。

戸惑う茉菜をよそに、和希は茉菜の家に上がり込む。

改めて話を聞いてみると、和希は過去の記憶を一部なくしており、茉菜と一緒に暮らしたいという。

茉菜は渋々それを受け入れる。

かつての和希はとても暴力的な人間だったが、いざ暮らしはじめると、暴力的な影は一切見られず、平穏な日々が過ぎていった。

しかしそんな矢先、茉菜のもとに一通の手紙が届く。

手紙には一言だけ「鈴倉茉菜の過去を知っている」と書かれていて……

記憶をなくし帰ってきた、殺したはずの暴力夫。

謎めいた正体と過去の愛と罪を追う、著者新境地のサスペンスミステリー。

「ホラーかと思うタイトルですが、ちゃんとしたミステリーです。5年前、崖から突き落として殺した筈の夫が「ただいま」と帰ってきました。ひどく暴力的だった彼。人が変わったように穏やかになって。そっくりだけど記憶喪失と言う彼は、本当に夫なのか。主人公茉菜の幸薄い過去パートと現在パートを行き来しつつ、除々に明かされていく状況。なるほど、と納得とともに、切なくて、でも未来に希望の持てる終わり方。読後感も良い、秀作。」

「正直自分には合わなかったなぁと思った作品。伏線回収の仕方、どんでん返しの構想は思いもよらないことばかりで面白さを感じた。だけど最後の駆け足感や中途半端な感じが腑に落ちない。落とすならとことん落としたり内容をもう少し膨らませられなかったのかなぁとか思いました。タイトル買いしましたが、ちょっと期待しすぎた感じがします。」

「タイトルに魅かれて「殺した夫が帰ってきました」(桜井美奈 小学館文庫)を読み終えました。都内のアパレルメーカーに勤務する主人公・茉菜。彼女はそれまでにも言い寄られていた穂高に待ち伏せされ、間一髪、夫・和希に救われます。かつて、茉菜が崖から突き落とし、殺したはずの夫によって。再会した和希は記憶を一部なくしており、茉菜と一緒に暮らしたいという和希を受け入れ生活を始めます。そして、「茉菜の過去を知っている」という一通の手紙が届くことで、茉菜は「過去」を追うように夫・和希の存在を探り始めます。彼は誰なのか?なりすましているのか?物語はどのように終息するのか?」


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