この本のいいところは、文章を書くにあたって最低限必要なことがとてもコンパクトにまとまっていることです。
ここに書かれていることをきちんと守っていけば、逆に、分かりにくい文章は書けなくなるはず。
<言葉ダイエットの極意>
- 一文一意
- 一文は60文字以内
- 抽象論禁止
- 繰り返し禁止
- ムダな敬語禁止
- 表記統一
- こそあど&接続語の連発禁止
コピーライター流の発見の仕方や、パワポ資料のつくり方など、一読をおすすめしたい章は多いのですが、特に、「させていただきます症候群」のページを読んでほしいところ。
社内で「させていただきます病」にかかっている人は必読です。
橋口さんは「させていただきます症候群」の原因として、
「主張はしたいけど、嫌われたくない」という心理を挙げています。
では、「させていただきます」が使える場面はというと、こちらの2点です。
<「させていただきます」が使える場面>
・自分の行為に対して、相手や第三者の許可を受けて行う場合
→ 「風邪を引いたみたいです」
「帰っていいよ!」
「では、早退させていただきます」
・自分が恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合
→ 「この画像を使わせてください」
「どうぞ!」
「ありがたく使用させていただきます」
とはいえ、「させていただきます」はほとんどの場合、「いたします」に置き換え可能です。
なのに、もう少し、へりくだって、ていねいにした方がいいんじゃないかという不安がよぎるんですよね。
でも、遠回しに言ったり、無意味にへりくだったりするのは、仕事では重大な事故を招きかねません。
心理的な影響も大きいと思います。
言葉って、本当に心を縛っているんです。
敬語は大事。
でも、変にへりくだったり、盛ったりする必要はまったくないと言いたいです。
言葉をダイエットすることで生まれる効果が、よく理解できる本だと思います。
詰め込みすぎず、適度にダイエットした文章は読みやすいし、伝わりやすい。
メール、企画書、ラブレターなど、「書き方」に迷った時、はじめに読むべき決定版です。