君主論は1532年にイタリアで刊行されました。著者はニッコロ・マキャヴェッリです。
君主とはどうあるべきか、君主として権力を獲得して、さらに保持し続けるにはどうしたらいいのかが書かれています。
現代においては、リーダーの資質として、君主をリーダーに置き換えて読まれています。
内容としてはギリシャ・ローマ時代の歴史上の実例を挙げながら、失敗と成功理由を著述し、具体的な提言をするというスタイルとなっています。
Contents
君主の力量と運が重要
君主論ですから、世襲制の君主になるのは簡単です。
むしろ、それからのことが大事で、君主としての力量が試されることとなるのですが、その中で運というものがとても大事だと書かれています。
これを現代に紐解くと、時流を見定めること、言うなれば物事を行うタイミングが大事という解釈ができるのです。
君主国家の土台は法律と武力
当たり前のことなのですが、国の土台は法治国家であり、国を守る軍隊であると説いています。
君主論の中では国を守るのに外国の軍隊、さらには傭兵は不要と書かれています。
時代もあるのですが、すべて自国でまかなうことが国にとって大事とされています。
これは会社に置き換えると外部委託ではなくすべて自前の社員でことにあたるということが推奨されているのです。
君主は悪徳であっても行使しなければならないときがある
これも君主をリーダーに置き換えてみます。会社を守るために責任(汚名)をかぶらなければいけないことがあります。ときには非情な判断をしなくてはならないときもあります。
君主論では悪徳のように見えてこれを行うことで、安全と繁栄がもたらされると結んでいます。
君主の振るまい方
文中ではケチと思われても気にするなとあります。
適材適所にお金を使うことはリーダーの必須条件です。
使うときべき時には一気に使うというメリハリが大事ということを説いているのです。
運命を打ちのめすほどの勢いで
君主論の中でも名言です。
運命と神に支配されているなかで、人の活動も運命に影響を及ぼしていると言う考えです。
自らの力で未来を切り開いていこうという考え方なのです。
まとめ
君主論は1532年に書かれていますから、神ということばが随所に出てきます。
それが現代にそぐわないという意見もありますが、君主をリーダーに置き換えて読むことで、すんなりと頭に中に入ってきます。
当時としては神を冒とくできない社会情勢の中で、自らの力で未来を切り開いていくというまさに前衛的な考えが随所に見られます。
そういったところが現代にもリーダー必携の書として親しまれている部分なのです。
中央公論新社 (2018-02-23)
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