モノクロの夏に帰る 額賀澪 (著) 中央公論新社 (2022/7/20) 1,760円

海の向こうでは、戦争で毎日人が死んでいる。

でも遠くない将来日本からは、戦争を経験した人がいなくなる。

まだ若い僕たちは、この事実とどう向き合えばいいのだろう。

「僕は祖父の戦争体験を捏造したことがある」 戦時中のモノクロ写真をカラーにして掲載した『時をかける色彩』という写真集が刊行された。

祖父母ですら戦争を知らない二十代の書店員がそれを店頭に並べたことで、やがて世界が変わり始める。保健室登校の中学生、ワーカホリックのテレビマン、アメリカから来た少年と、福島で生まれ育った高校生。

遠い昔の話のはずだった「戦争」を近くに感じたとき、彼らの心は少しずつ動き出す。

平和を祈る気持ちが、小さな奇跡を呼ぶ。

読み終えたとき、少しだけ世界が優しく見える感動の青春小説。

著者について
額賀澪 1990年、茨城県行方市生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒。2015年『屋上のウインドノーツ』で第22回松本清張賞、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞。この2作で15年6月に同時デビューを果たし、話題を呼ぶ。16年『タスキメシ』が第62回青少年読書感想文全国コンクール高等学校部門課題図書に選ばれる。他の著書に『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』などがある。

「プルーフ表紙にある額賀先生の言葉。
「自分の生きていた時代が戦後ではなく戦前だったことに気付いて」
この言葉が胸に響く。
戦争や天災を無かったことにしないで、次の世代へ繋いで行く事の大切さを痛感した。」


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