モーツァルトを聴く人 谷川俊太郎(著)、堀内誠一(イラスト) 小学館 (2022/1/7) 880円

詩は音楽に恋してる

収録作品は以下の通り。第一章「モーツァルトを聴く人」(1995年/小学館刊)19篇。

第二章「絵本・ピアノのすきな王さま」架空の国を舞台にした「音楽」がテーマの傑作絵本(谷川+堀内コンビによる未刊行の作品/初出は、1981年。

ヤマハが愛好家向けに配布した「ピアノ小読本」に収録された幻の絵本作品カラー32ページ)

第三章「谷川俊太郎・音楽詩選」モーツァルトと音楽をめぐる名詩27篇(うち、二篇書き下し=「急がないモーツァルト」「いい天気」)。

書き下しの一篇は以下の通り。

急がないモーツァルト

石畳の道に足音が響く/姿は見えないがモーツァルトだ/
嬉しいことがあったのだろう/歩きに笑いがひそんでいる

建物から女が出て来る/慇懃に挨拶してすれちがう/
短い旋律が生まれかけたが/すぐ小さなつむじ風に紛れる

永遠が日々の暮らしに微笑みかける/楽しみは哀しみに気づいている/
ピアノの黒鍵と白鍵が/黒白を問わない和音を生む

休止符に宿る人の心は/世界の喧騒を許している/
地球が今日も自転している/モーツァルトは立ち止まらない

このオリジナル文庫は『音楽の肖像』の続篇として構想された。

本文中に新発見の堀内誠一によるカット十数点も収録。

40年の時を経て原画が発見された幻の傑作絵本をオールカラーで収録。

2022年1月から全国各地で堀内誠一展開催される予定。


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