なんで洞窟に壁画を描いたの? 五十嵐ジャンヌ (著, その他)、中島梨絵(イラスト) 新泉社 (2021/1/20)

美術のはじまりを探る旅 13歳からの考古学。

秋山理乃は歴史が大好きな中学1年生。

高校の世界史の先生だったキシローじいちゃんと東京で開かれた「ラスコー展」に行って、謎深い洞窟壁画の魅力にすっかりはまってしまいます。

そして、キシローじいちゃんの教え子で、洞窟壁画の研究者・タバタさんの案内で、フランスに本物の洞窟壁画を見に行くことに。

旧石器時代の壁画を見た理乃は、なんで大昔の人はわざわざ真っ暗な洞窟に壁画を描いたのか、という疑問で頭の中がいっぱいになってしまいました。

帰国後も、タバタさんとじいちゃんの協力のもと、洞窟壁画の謎と文化祭で発表する「美術のはじまり」というテーマの答えを求めて、理乃の奔走は続きます……。

出版社からのコメント
「13歳からの考古学」シリーズの第2弾は、洞窟壁画の謎を探る旅です。
2016年11月~2017年2月に東京の国立科学博物館で開催された「ラスコー展」は、来場者が20万人を突破したほど話題となった展覧会でした。フランスのラスコー洞窟そのままに再現された壁画のすばらしさに、多くの人が魅了されました。
ラスコー洞窟をはじめ、フランス南部に点在する洞窟壁画は、4万年前~1万4500年前にかけて、ヨーロッパの旧石器時代人、クロマニョン人によって描かれました。なぜ彼らは、わざわざ真っ暗な洞窟に壁画を描いたのか? 先史時代の謎の答えを求めて、東京、パリ、ボルドー、レゼジー、ラスコー、そして長野へ、主人公の理乃は旅します。 著者の五十嵐ジャンヌさんは、本物のラスコー洞窟に入った研究者です。紹介する数々の洞窟群は、五十嵐さんが実際に調査に入った洞窟ばかりです。
巻頭の口絵を見ながら読めば、より一層、洞窟壁画を楽しめます。
皆さんも、理乃と一緒に、謎解きの旅に出かけましょう! 巻末につけた洞窟壁画ガイドも必見です!

「書名「なんで洞窟に壁画を描いたの? 美術の始まりを探る旅」と「13歳からの考古学」という小見出しから、少年少女を対象とした内容と思って読み始めたが、著者自身を投影したかの如き登場人物を含め、多彩な人物の何故か親しみを感じる人間味あふれる会話が織りなす構成により、大人の読者をも洞窟壁画そして考古学の楽しい世界へいざなう著者の見事な筆致に脱帽した。気がつくと、TGVの車窓に広がるフランスの平原を眺め、フランスの地方の町を散策し、食を楽しむ気分までも味合せてくれる。おそらく著者が当初よりそれを意図したと思えるほど飽きることなく一気に読み終えた。本書は単に考古学の入門書という枠を超え、人間が太古より創造してきた美術・文化の起源とは何か、さらに人間とは如何なる存在なのかにまで思いを馳せる恰好の書として紹介したい。」


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