猫がこなくなった 保坂和志 (著) 文藝春秋 (2021/1/14)

猫好きの友人の高平君がうちに来て、涙ながらにいなくなった猫の話をはじめた、聞けば聞くほど私が外で世話していたキャシーそっくりだった。

ついに1ヵ月経ったところで高平君は、迷い猫のポスターを貼りだした。

それを作ったのは二週間目だったが、「貼ったら事実を固定化するみたいじゃん。」と思っていたのだ。

レディはきっと帰ってくる、キャシーもそうだ。

果たして高平君のレディはみつかるか?(表題作)

特別に忘れがたい猫、突然伐られてしまった大きなヒマラヤ杉、賢いカラス、鎌倉の家から見えた川端先生のお屋敷、夏の明るい日差しの中で本を読むこと、隣家の物置きに住み着いた赤ん坊連れの女のひと、子猫が友人の手のなかで命を落とした夜明けまでの夜・・・

「命において死は生きるのと平行して在りつづける」ことを証しだてる9つの短篇小説。


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