ある目的のため、女はひとり、立ち上がった。
ユーチューブで人気のチャンネル『野依美鈴のブレイクニュース』。
児童虐待、8050問題、冤罪事件、パパ活の実情などを独自に取材し配信。
マスコミの真似事と揶揄され、誹謗中傷も多く、中には訴えられてもおかしくない過激でリスキーな動画もある。
それでも野依美鈴の魅力的な風貌なども相まって、動画の視聴回数は1千万回を超えることも少なくない。
年齢、経歴も不詳で、自称ジャーナリストを名乗る彼女の正体を探るべく、週刊誌記者の真柄は情報を収集し始める。すると彼女の過去が見えてきて……。
デジタル社会の現代へ警鐘を鳴らす、SNS時代の新たな社会派小説。
【著者プロフィール】
薬丸岳(やくまる・がく)
1969年兵庫県生まれ。2005年に『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年に短編「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。他の著書に「刑事・夏目信人」シリーズ、『悪党』『死命』『友罪』『神の子』『ガーディアン』『蒼色の大地』『告解』などがある。
「おもしろかった。
ただ長編にして、最近のマスゴミの醜さを描いて欲しかったのが本音。
後最近の刊行では、初期のような読者を試すかのようなストーリーが見られないのが残念。
天使のナイフ、闇の底、虚夢と3連敗した記憶が懐かしい。」「現代の推理小説だと思いました。snsを利用する現代の在り方について、こんな方法もあるのかと思いながら読みました。SNS利用は毒にも薬にもなるのだと改めて認識しました。顔の見えないことは恐ろしいことですね。」
「ユーチューブやヘイト、誹謗中傷、パパ活など、今風の題材やテーマが面白く、最後はどうなるのかと期待したが、あんがいあっさりだった。ここまで新しいテーマでひっぱたのだから、最後まで頑張って欲しかった。」
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