
第172回芥川龍之介賞候補作!
大事な人が、かつてここにいた
確かなしるしを何度でも辿る──
喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。
ロングセラー『旅する練習』の著者がはなつ待望の新作。
「これは、叔母がどんなに私を思ってくれていたかということを、その死後も巧妙なやり方で繰り返しほのめかされ時には泣かされたところでぴんぴんしている、根深い恨みである。」
実家を出て二年、作家になった二十四五の私は弟の結婚式に参列するため、仙台に向かっている。
五年前に亡くなった叔母の痕跡を求めて、往復する時間の先にあるものとは。
装幀:川名潤
装画:イワクチコトハ
母のリハビリテーションの帰りに本屋に寄ったら、乗代雄介の新刊『二十四五』を見つけて激しくときめいた。高鳴る鼓動のまにまに本を手に取り、レジへ向かった。前作の『それは誠』のときはなかなか入荷しなかった本屋だったのに、どうして今回は、と思いつつ、自分の中で見直す気持ちになった。 pic.twitter.com/u0OHkDYRvz
— 海亀湾館長 (@umigamewan) January 15, 2025
著者について
1986年北海道生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。2015年「十七八より」で第58回群像新人文学賞を受賞し、デビュー。2018年『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞、2021年『旅する練習』で第34回三島由紀夫賞、2022年同作で第37回坪田譲治文学賞、2023年『それは誠』で第40回織田作之助賞、2024年同作で第74回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。そのほかの著書に『最高の任務』『皆のあらばしり』『パパイヤ・ママイヤ』などがある。
「芥川賞候補作品? どうやら前段となる作品が別にあるらしい…話の展開についていけないのもそれを知り納得。 この作品単体は特にこれといって感じさせることもなく…という感じがします。 指示されたことの結果や進捗を伝えるのが報告、何も言われてないけど知っておいた方が良さそうなことを伝えるのが連絡。 という言葉はあらためて使いたくなる。(本筋とは全く関係しないのですが)」
「「十七八より」を読んでいなかったので作家になった主人公にとって叔母がどういう存在だったのか、叔母のゆき江さんがどういう人だったのか、家族の関係がどうなのかよく分からないまま読んでいたけど、それを想像しながら読むのも悪くなかった。少なくとも主人公にとって叔母がとても大切で彼女の人生に大きな影響を与えたのだろうと思った。大切な人は亡くなっても残された人の心と生き方に残り続ける、寂しいけれどあったかい気持ちになりました。」
「きっとあの少女のその後が書かれているだろうと思われるタイトルに、つい引き寄せられて読みました。「十七八より」の時は本当に難解で、読むのに苦労しましたが、今回はその時より読みやすく感じました。亡くなった叔母の存在が、景子の真ん中にあることが印象的です。そしてそのことを弟や、両親も分かっているような。けれど、景子には受け取ったものを誰かに渡す番が来ていることが、終盤で伝わってきました。大切なものが受け継がれていくことで、景子の気持ちも整理されてゆくのかな、と思いました。」
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