気候変動は憂慮すべき問題である。
と同時に、好奇心をかきたてる事象でもある。
気候変動が環境を激変させている現在、生物はこの危機にどう対処しているのだろうか?
温暖化に直面したクマはサケを食べる行動を変え、イカは小さいサイズで成熟するよう変化し、トカゲはハリケーンのときに木にしがみつけるように指を変化させた。
生物は座して絶滅を待つのではなく、多彩な戦略を駆使して生き延びているのだ。
ストーリーテラーとして定評のある生物学者が、柔軟に変化する動植物の姿を通して、気候変動にどう向き合うべきかを教えてくれる、危機と希望の物語。
まさに絶滅が迫っている。だが絶望して嘆く前にこの本を読むべきだ。いつでもそうであるように、生物は新たな道を見つけている。
――ダン・フローレス(作家・歴史家、モンタナ大学名誉教授)地球温暖化の生物学に関する非常に重要な考察を、ハンソンならではの知的かつ明晰な美しい文章で読むことができる。
――ロバート・マイケル・パイル(『ビッグフットの謎』著者)
「温暖化に負けない生き物たち」ソーア・ハンソン
「羽」や「種子」など楽しい本の著者の新刊。やったー♪
題名通りの内容だが淡々としながらもユーモアを交えた彼らしい文章が好ましい。ウォールデンの森についての章が嬉しい。日記と比べながら読みたい。 pic.twitter.com/G9qqk6UDuq— 花めぐめぐ (@huamuhui1128) March 6, 2024
著者について
ソーア・ハンソン
保全生物学者。グッゲンハイム財団フェロー、スウィッツァー財団環境研究フェロー。
自然に関する著作は高い評価を受け、『羽』(白揚社)でアメリカ自然史博物館のジョン・バロウズ賞、『種子』(白揚社)でファイ・ベータ・カッパ科学図書賞、『ハナバチがつくった美味しい食卓』(白揚社)でパシフィック・ノースウェスト・ブックアワードなど、数々の賞を受賞。ワシントン州にある島で、妻と息子と暮らしている。
黒沢令子
鳥類生態学研究者、翻訳者。地球環境学博士。NPO 法人バードリサーチで野外鳥類調査の傍ら、翻訳に携わる。
著書に『時間軸で探る日本の鳥』(共編著、築地書館)、訳書に『羽』『種子』『ハナバチがつくった美味しい食卓』『美の進化』『鳥の卵』(以上、白揚社)、『フィンチの嘴』(共訳、早川書房)、『人類を熱狂させた鳥たち』(築地書館)など多数。
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