TAS特別師弟捜査員 中山七里(著) 集英社 (2021/4/20)

学園一のアイドルが死んだ。事故か、自殺か、それとも事件か――。

中山七里が新たに仕掛ける、バディ×学園ミステリ!

「ねえ。慎也くん、放課後ヒマだったりする?」楓から突然声をかけられた慎也は驚いた。

楓は学園のアイドルで、自分とは何の接点もないからだ。

用件を言わず立ち去る楓を不審に思いながらも、声をかけられたことで慎也の胸は高鳴っていた。

彼女が校舎の3階から転落死するまでは――。

事故か、自殺か、それとも事件か。

学校は騒然となるが、さらに彼女が麻薬常習者だったという噂が流れる。

学校での警察の聞き取り調査が始まった。

そこに現れたのは、慎也の従兄弟で刑事の公彦。

公彦は、転落死の真相を探るため、教育実習生として学園に潜入することを決める。

公彦と慎也は力を合わせて事件を解決できるのか――。

そして、なぜ楓は、慎也を呼び出したのか――。

予想だにしない結末が二人を待ち受ける。

「この作者にしては珍しい学園ものです。一人の女生徒の謎の転落死。事件か事故か?自殺なのか、他殺なのか?たまたま同じ学校に通う一人の男子生徒が従兄弟の刑事とコンビを組んで謎に迫ります。とある部活に潜入し、亡くなった女生徒の人間関係を調べるうちにまたも犠牲者が・・・。登場人物たちの心理描写や劇中劇と絡めた事件の真相の描き方は実に素晴らしい出来です。謎解きのヒントもそれなりに用意されているので、鋭い方ならば事件の真相に途中でたどり着いてしまうかも?どんでん返しとまではいかないものの、悲しくも切ないラストでした。割と楽しめると思います。」

「主人公の慎也(高校生)と、その従兄弟の葛城公彦(刑事)がタッグを組んで事件を解決する物語。と言っても従兄弟があんまり関わっていないような印象だったかな。中山七里先生にしては、凄くライトなミステリでした。学園ミステリが嫌いな方は、お薦めできないかな。個人的には好きな方なので良かったです。ミステリ以外の要素(演劇部の活動部分)も良かった。でも最近読んだ「能面検事」の方が好きです(;^_^A」

「学園物です。身近な設定ですが、どうしても他書との差別化を意識するとストーリーに無理が生じます。本書はそれがうまくいっているかどうかは委ねますが、筆力のある作家なので読んでいても安心感はありました。」


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