人間の器 丹羽宇一郎 (著) 幻冬舎 (2021/3/25)

「器が大きい人」というと、どんな人をイメージするだろうか。

著者は「自分に何の利益がなくとも、他人のために行動できる人」だという。

私欲を封印し、他人のために何かを成すのは、そう簡単ではない。

器を大きくしようと無理をすると、かえって器は小さくなってしまう。

ならば、どうすればいいのか?

「自分にしかできないことを、やる」
「何が起きても〈それがベスト〉と考える」
「ときに積極的に諦める」

等々、本当の意味で器を大きくするための心のありようや生き方について詳述。

「人の器とは何か?この問いに対する直接的な答えはない。よって本書も、筆者の幾重にも連なる人間論のフィルターを通して読者がその答えを探っていく構成になっているのは当為である。となれば人間の器というものに対する答えは百人百様になるはずだが、決してそうはならない。なぜなら、人の器というものを心得ている人にとっては最終的な着地点はおそらく同じになるであろうからだ。では、その条件を備えていない人にとってはどうか?たとえば唐突に中国を持ち出す中国過敏の人たちは、人の器とは?と問われて差し出している自らの器が果たしてどの程度のものか、衆目はもはや何も言わずともわかっている。その意味で読む側の器が整っているか、いないか、それをこともなげに指し示してくれる本といえるだろう。」


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