オリンピックを殺す日 堂場瞬一 (著) 文藝春秋 (2024/7/9) 990円

スポーツビジネスの闇に一石を投じる、衝撃的サスペンス!

スポーツ新聞の記者の菅谷は、オリンピック取材を仕事の矜持としてきた。

そんな中、大規模なスポーツの祭典「ザ・ゲーム」がアテネで開催されるという情報をキャッチする。

情報が全くない大会の取材に乗り出した菅谷だが、関係者は一様に口をつぐむばかり。それどころか近年のオリンピックや、メディアとスポーツの関わり方に疑問を呈される。

出場者も多くは語ろうとしないが、選手にとってザ・ゲームが理想的な大会であることを匂わせるばかりだ。

そして関係者が口々に言う主催者の「彼」の理念とはいったい何なのか…。

メディアを一切排除した先にあるスポーツイベントに翻弄される菅谷。

「スポーツ」と「メディア」、「巨大スポンサー」。この構造を崩し、「オリンピック」を壊そうとする首謀者は誰なのか。

菅谷は、謎の組織の正体を暴けるのか。

パリオリンピックを目前に文庫化!

解説は、『スポーツウォッシング なぜ〈勇気と感動〉は利用されるのか』(集英社新書)で話題のスポーツジャーナリスト、西村章さん。

堂場 瞬一
1963年生まれ。茨城県出身。

青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞。

主に警察小説とスポーツ小説というふたつのフィールドで活躍する。警察小説においては、刑事として生まれたと信じ、ひたむきに生きる男・鳴沢了を描いた「刑事・鳴沢了」シリーズが読者から熱狂的な支持を受け、一躍、新時代の旗手となった。

主な作品として「警視庁失踪課・高城賢吾」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズがある。一方、競技者の内面までも踏み込み、著者自身がその競技を経験していたのではないかと感じさせられるスポーツ小説も評価が高い。

箱根駅伝を扱った『チーム』、高校野球を題材にした『大延長』は、スポーツに馴染みがない人でも圧倒される。このほかにも著書多数。警察小説・スポーツ小説以外の分野への進出も意欲的で、今後の活躍が楽しみな著者である。

「問題提起としては面白いと思いました
“今のオリンピックのあり方でいいのか?”
しかし、ストーリーの進み方や結果に共感出来ませんでした。軽すぎませんか?
細部が気になると全体への印象がよくないです。
すいません。」

「利権まみれで金で選手をがんじがらめにするオリンピックとは違う選手による選手のための競技会を開催する趣旨に賛同する選手が多くあった。現代のオリンピックは利権に群がる企業が主催者側にお金を配り贈収賄容疑で逮捕者を出すほど泥にまみれていることを考えると利権に関係ない競技会を開催することも今後のあるべき姿のようにも思える。」

「この基本プロット。誰の考案なのか解らないが、これだけのデストラクティブなイノベーションなら書き手は堂場瞬一氏ではなく島田雅彦氏が適任だろう。彼なら、メディア不要のオリンピックに加え、メディア不要の独裁国国際連合樹立にまでディストピアしちゃうだろうけど。」


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