「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは
ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ=ポリコレ)という正義の名のもとに、新たな次元の支配システムが、アメリカを、そしてこの日本を蝕んでいる。
BLM、LGBTQ……「人種差別やジェンダーによる差別をなくし、多様性を認めよ」
という掛け声のもと、「新しい正義」が謳われ、その正義の基準に沿わないものは、全メディア総出で、逃げ場なき集団リンチのごとく手酷く批判され、社会的に抹殺される。
キャンセル・カルチャーや批判的人種理論が幅を利かせるアメリカ。尻尾を振ってそこを追いかけようとする日本のメディアが、日本を誤った道に連れて行こうとしている。
森喜朗元首相たたきもそうだった。
仮に失言はあったにせよ、異様なのは、その後の「全メディア挙げての集団リンチ、吊るし上げ」であり、反論さえ許さぬモンスター的人格攻撃だ。
「差別をするな。多様性を認めよ」と叫びながら、その実「自分にとって都合の悪い多様性は一切認めようとせず」「新たな差別を創造する」流れは、今後さらに増加し、極端化し、過激になっていくと思われる。それでいいのか? 防ぐ方法はないのか?
多様性とは、自らと違った立場の意見を尊重し、相互に認め合うことのはずなのに、逆に「不寛容」ばかりが増し、企業も学校も社会も息が詰まっていく。
ポリコレ先進国・アメリカの悲惨さを見よ。非キリスト教徒に配慮するという大義名分のもと、すでに「メリークリスマス」という言葉は奪われ、性差別への配慮として、「お父さん」「お母さん」も公式の場では使えなくなってしまった。
カリフォルニアでは、LGBTQに配慮するため、結婚式の際、「夫」とも「妻」とも言えないのだ。狂気だ。
日本は1日も早く先行するアメリカの過ちに気づき、本当の自由と平等を取り戻す努力を始めなければいけない。
「機会の平等」でなく、「結果における平等」を保証することは、「新たな不平等を創造」するだけ。そこには絶望しかない。
今や、日本の学校では「あだ名」をつける事さえ、一律に禁止されようとしている。
「言葉狩り」や「#MeToo」、「マスク警察」や「ワクチン警察」、「お母さん食堂」へのいちゃもんなどに代表される動きが、今後さらにエスカレートし、モンスター化し、一方的なレッテル貼りをすることで、人々のつながりが分断され、冤罪事件を生んだり、暴力や殺人など、新しい深刻な差別を生む日も遠くないのでは、と不安を感じている人も多いように感じられる。
忠実で丹念な取材力を基本に、多くのノンフィクション作品で高い評価を得てきた著者が、「ポリコレ」という新たな敵の正体を見出し、追い詰めていく。
現状のまま進めば、日本もジョージ・オーウェルの『1984年』のような全体主義管理社会というディストピアにどんどん近づいていく。
なんとかそれを阻止したいとの強い思いが本書を書かせた。
ポリコレの正体、でっちあげ、暗殺国家ロシアで有名な福田ますみさんにインタビューをさせて頂きました!
露で反政府の記事を書き暗殺されたジャーナリスト達に関してジャーナリストとして露に取材に行かれた凄い方です。
ポリコレ、LGBT問題、冤罪等についてお聞きしました
動画を乞うご期待! pic.twitter.com/OguQW2o9at— 我那覇真子 (@ganaha_masako) March 2, 2022
目次
1章 ポリコレは、全体主義への一里塚
「お母さん」とさえ呼べなくなる? ??着々と進む、狂気の言葉狩り
2章 日本のポリコレは、「反日・日本人」養成所
正義なきメディアが「内心の自由」に踏み込み、断罪する恐ろしさ
3章 BLMの不都合な真実
蘇る「新左翼」??「平和な顔をした暴力革命運動」に騙されるな!
4章 LGBTを“弱者ビジネス”にしようとする人々
当事者たちに訊く??「新潮45」廃刊事件再考
5章 【事例研究】LGBTイデオロギーとどう向き合うか?
3つのケースから学ぶ、ポリコレ推進活動家への対処法
福田ますみ氏の「ポリコレの正体」で、わたしのnote記事を紹介していただきました。
LGBT問題だけでなく、日本にもやってきたキャンセルカルチャーや多様性の名の下に行われる言葉狩り、CRT(批判的人種理論)にBLM運動の正体まで、非常に詳しくまとめられた良著でした。
冬休みの読書にお勧めです。 pic.twitter.com/L9AXXuBARM
— ????Blah (@yousayblah) December 27, 2021
「このところ、一番気になっていたポリティカル・コレクトネスの問題を扱った内容。一気に読み、かなり頭の中が整理された。ポリコレ先進国・アメリカの信じがたいほど極端な話や、日本のメディアやワイドショーが総出で袋叩きにした森元首相を巡る問題も含め、さまざまな事例が扱われているのだが、読み進むうちに、ポリコレをいつも意識していなければいけないことによる自分の中の違和感というか、居心地の悪さの原因がだんだん見えてきた。」
「最近、日本の公立高校の願書から性別欄が消された。ポリコレは、学校教育にもしみこんできてしまっているが、性別を尋ねることが差別とされるような風潮になるのはごめん願いたい。「メリークリスマス」と言うことがクリスチャン以外の人への差別用語とされ、「メリークリスマス」も言えなくなってしまったアメリカの現状について語られ、とても参考になった。」
「何の知識もなかったら読み応えがあります。今のアメリカでどんな教育が行われているか?新共産主義とは何か、多様性を言いながら没個性を強いられる。カーボンニュートラル、コロナワクチン、何か怪しい。」
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