あんときのRADWIMPS 「人間開花」編 渡辺雅敏 (著) 小学館 (2022/11/18) 1,870円

メジャーデビューから瞬く間に「大人の知らない社会現象」と呼ばれるほどの大ヒットを記録し、カリスマ的人気を獲得したRADWIMPS。

ボーカル野田洋次郎の圧倒的な才能と「すごいバンドになりたい」という強い思いはバンド内に亀裂を生じさせ、メンバーの脱退騒動なども勃発。四人は関係性を更新しながら傑作を生み出していった。

RADWIMPSというバンドは、ひと時も同じ場所にいることを許されないのだ。

東日本大震災、ドラマー山口智史の無期限の活動休止という大きな喪失を経験するとともに、洋次郎のソロプロジェクト、俳優デビュー、企業との大型タイアップ、そしてメンバーの結婚などの新たな出来事によって、密室に閉じこもるように音楽を作り続けていたバンドは、少しずつ社会性を獲得していく。

そこで待っていたのが新海誠監督との出会い。

映画『君の名は。』の音楽を担当し、主題歌「前前前世」が真の社会現象となるのと機を同じくして、バンドは、メンバーは、大きく鮮やかに“開花”するのだった。

本書は一つのロックバンドを巡る知られざるストーリーでありながら、人間が他者との出会いや衝突、別離を繰り返すことで、苦悩にまみれながらも成熟していく様を描いた普遍的な物語である。

RADWIMPSは2022年11月11日公開の新海誠監督最新作『すずめの戸締り』でも音楽を担当。

『君の名は。』『天気の子』の前二作と同様、映画とともに主題歌の大ヒットが期待され、バンドへの注目度も高まることが予想される。

本書はバンドが新海誠監督と初めて出会い、国民的ヒットを生むに至った知られざるエピソードをクライマックスとしたドラマでもある。


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