
死後50年を経て、未だ我々を魅了し続ける乱歩の創作・思考の背景にあるものはいったい何か。
乱歩の形成した人的ネットワーク、そして彼の生きた戦前戦後という時代と文化事象、出版文化の展開とともに花開いた様々な雑誌メディアなど、総勢70人に及ぶ豪華執筆陣のナビゲートにより乱歩ワールドの広がりを体感できるエンサイクロペディア、ついに公刊。
『江戸川乱歩大事典』(勉誠出版)、落合教幸・阪本博志・藤井淑禎・渡辺憲司 編。
約900ページで執筆陣は70人。まさに「読む事典」です。発売中。
この本の出版にあわせて『週刊読書人』4月9日号で乱歩特集が組まれます。
有栖川はエッセイを寄稿しました。(有栖川) pic.twitter.com/7BN7KhCwQR
— 有栖川有栖 創作塾 (@sousakunet) March 29, 2021
【本書の特色】
本格ミステリーにエログロナンセンス、さらには少年少女向けの作品など幅広い作風で、多くのファンを得てきた稀代の推理作家江戸川乱歩を知るための決定版大事典。
生前含め、数度全集が編まれるなど、時代を越えて愛される人気作家であり、青空文庫のアクセスランキングでも多くの作品があげられている。
近代文学のみならず、近世文学、メディア史、社会学等々、諸分野の一線にて活躍する執筆陣が寄稿。
旧乱歩邸の蔵書調査などにより判明した新知見を収載。
『江戸川乱歩大事典』(勉誠出版/13200円)、やっと届いた。乱歩先生、大喜び。 pic.twitter.com/fdpSJNncY9
— 折原一 ?? (@1orihara) April 3, 2021
【凡例】
本書は江戸川乱歩の総合的大事典である。特に以下の点に留意し、編集した。
1探偵小説の創始者、児童向け小説の作者、幻影の城主的作家イメージ、とさまざまに分裂した従来の乱歩把握と訣別して、大衆文化という大きな枠組みの中で乱歩と乱歩文学の統合的かつアカデミックな再評価を図る。
2プライオリティ・研究史の尊重や、初出・初刊等に基づいたアプローチなど、厳密な研究的態度を厳守する。
3上記二点の実現のためにも、近代文学の研究者はもちろん、社会学・メディア学などの広範囲の分野の研究者の協力を仰ぎ、これまでとは一線を画した乱歩学の構築を図る。
【構成】
本書は四つの部、附録および索引からなる。
第I部「人間乱歩」…乱歩の生涯に関する伝記的事項、また、個人的な趣味・嗜好について記述した。
第II部「社会」…乱歩の生きた時代および社会状況、大衆文化について、乱歩作品や乱歩その人との関わりを含め、記述した。
第III部「ミステリー」…乱歩の文学的営為の中心にある「ミステリー」に関して、影響関係、交友関係のあった人物、関連する事柄について記述した。
第IV部「メディア」…乱歩のかかわった新聞・広告・出版・雑誌等のメディア、また、乱歩作品のメディア化について記述した。
附録として、江戸川乱歩小説作品初出/初刊一覧、年表「江戸川乱歩とその時代」を設けた。
落合教幸、阪本博志、藤井淑禎、渡辺憲司 編『江戸川乱歩大事典』勉誠出版をいただく。乱歩関係の大部な研究書と言えば平山雄一 著/新保博久、山前譲 監修『江戸川乱歩小説キーワード辞典』東京書籍が真っ先に思い浮かぶ。あちらは文字通りの辞典だが、本書は読み物の傾向が強そうなので通読します。 pic.twitter.com/RmlumYMp6X
— 三津田信三 (@shinsangenya) March 23, 2021
「作家の事典はいくらでもありますが、この大事典は乱歩の遺品を引き受けた立教大学グループが中心に作成した熱意のこもった事典です。「「人間乱歩」、「社会」、「ミステリー」「メディア」の4部構成からなるが、どの項目も乱歩との関係がきちんと書き込まれています。簡単なようですが、そうではありません。『漱石事典』(翰林書房)などはほとんどの項目がおざなりで、人物の生年月日さえわからない悲惨な事典となっていますから。」
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