
食べることは生きること。
「人生最高」のごはんで、もう一度立ち上がろう。
大晦日。
仕事でくたくたに疲れて帰宅した瞳を迎えたのは、がらんとした室内。
同棲をしていた彼氏が家を出たことを悟り、年末の人混みをかき分けるようにして駅へと向かう。
彼氏の姿はもちろんなく、途方に暮れ泣き出す瞳。
そんなとき、オレンジ色をまとった女性・乃果から声をかけられる。
「おいしいもの食べに行こう」。
突然の誘いに戸惑う瞳だが、つらいときこそ食べなきゃ、と、太陽のようなあたたかい笑顔に思わず頷いてしまう。
連れられて入ったレストランで出てきたごま豆乳鍋。
その熱さと濃厚な旨さに、またどんどん涙がこぼれていく。
こんなにも悲しいのに、ごはんがおいしいなんて――。
そして、瞳は思った。
「私、生きている」
大晦日に出会ったどん底の二人が「人生最高」のごはんでトラブルを乗り越える!
「ナースの卯月に視えるもの」の著者がおくる、やさしくおいしいご自愛ごはん小説
料理家・長谷川あかりさんが推薦!
「どんなに丁寧にレシピを作っても、その瞬間の空気や感情、一緒に食べる人の表情が作る味にはかなわない。
苦しみも喜びもすべてが味となり、人生に刻まれるのだと思い知る。」

著者について
秋谷 りんこ
1980年神奈川県生まれ。横浜市立大学看護短期大学部(現・医学部看護学科)卒業後、看護師として10年以上病棟勤務。退職後、メディアプラットフォーム「note」で小説やエッセイを発表。2023年、「ナースの卯月に視えるもの」がnote主催「創作大賞2023」で「別冊文藝春秋賞」を受賞。同作でデビュー。
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