才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの?
青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。
著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。
彼らはどこまで嘘をついているのか?
いや、嘘を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか?
いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!
小川哲さん『君が手にするはずだった黄金について』読了です。面白い「話」を聞いたなあ!!というのが私の率直な感想です。
直木賞受賞作の『地図と拳』や、本屋大賞にノミネートされた『君のクイズ』を読んだ時もその才能に驚きましたが、やっぱり才能がある作家さんだなあ、と改めて思いました。… pic.twitter.com/j5ubX8V14o
— かわぺい@読書垢 (@MYrkQjgfBQWvVy3) November 1, 2023
「読書とは、就職する動機とは、震災前日の平凡な一日とは、小説家とは…、人間観察の哲学的な切り口というか、際立たせ方が面白くて好みです。」
「直木賞受賞作「地図と拳」は正直まったくピンと来なかった、やたら長いだけで。
でも、「君のクイズ」は面白かった。そして、この作品はエンタメと純文学の境界を行ったり来たりと言うか、若干私小説を茶化していないかい?って感じでとても面白かった。
いま新聞連載している「オルロージュ」は新聞連載と言うこともあるのか今のところめちゃくちゃライトな作品だし、器用でカメレオンみたいな作家ですね。
1つ心配するとしたら器用過ぎてちょっと本物と見られない偽物感が付き纏いそうなところですね。もしかしたら、それも著者の狙いなのかも知れませんが。」「小川さんご自身を主人公に書かれた短編小説集。
そのため、フィクションとノンフィクションの境目がわかりにくく、そこが面白いところでもある。
特に承認要求をきりとった表題作「君が手にするはずだった黄金について」が傑作!面白かった。
小説家に興味のある人も、読むと面白いと思う。」
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