「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。
学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。
そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。
滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。
〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう
「地球は滅亡するのに、こんな爽やかな読後感を得られるとは想像していませんでした。
あと、これってジャンルとしてはSFですよね。凪良ゆうさんの本は「流浪の月」と「汝、星のごとく」と「神様のビオトープ」しか読んでいなかったので、認識を新たにしました。BLは苦手なんだけど、BL時代にもSFは書かれていたのかな?」「生きづらさを抱えている登場人物たちが、人生の最期を迎えようとしたとき、皮肉にも日々の窮屈さから解放され、本当の幸せを手にする。
心理描写が見事でした!登場人物たちがつながっていくところもワクワクして一気に読めました。
人生の最期を知ったとき、自分はどう生きたいか、誰と生きたいかを考えさせられました。」「設定はよくある設定でしたが、様々な立場の登場人物の立場から最後をどう生きるかというのが描かれており、面白くて最後まで一気読みしました。自分だったら最期に何をするのか、そもそも最期にしたいと思えるようなことって何かあるかなーと考えさせられる作品でした。」
「落ちる言葉がない。すべての言葉が自由闊達に動きながら呼吸しながら繋がっている。
ふっと目を奪われたらまたたく間に最後のページに案内されている。
本を閉じたあとも香りが残り、終わった淋しさがない。
ただ同じ作者のまだ読んでいない本にすぐ手が伸びるだけ。一週間の間にそれを4回繰り返した。」
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