死にがいを求めて生きているの 朝井リョウ (著) 中央公論新社 (2022/10/21) 968円

誰とも比べなくていい。

そう囁かれたはずの世界はこんなにも苦しい――

「お前は、価値のある人間なの?」

朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語

植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。

二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは?

毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。

交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。

今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。

「1994年生まれ。ゆとり世代ど真ん中を生き、現在24歳。仕事もこんつめてできず、熱中できる趣味もなく、
SNSばかり見る毎日に、ぼんやりと「生きがい」を求めていたとき、このタイトルを見つけて即購入した。
あ?死にがいだ、生きてていいんだと思える何かがほしいのだ、とき山族のように熱狂する人を冷めた目で見つつも、どこかうらやましくて、こんな人になれたら人生おもしろくなるのかなと思いつつ、今日もSNSに流れてくる熱狂組をサラサラ流し見している。このしょうもないプライドや自我、承認欲求なんて捨て去りたい。もう一度読み直します。」

「螺旋プロジェクト第一回配本がこの朝井リョウの「死にがいを求めて生きているの」、「桐島、部活やめるってよ」に勝るとも劣らないキッチュな題名だが、内容は、螺旋プロジェクトで担当した「平成」という時代の、なんとも言いようのない閉塞感の中で生きる若者を描き、出色の出来栄えであった。」

「朝井リョウさんらしいなあ、というのが偽らざる感想です。「螺旋プロジェクト」の中の作品。人は必ずしも生きる目的を自発的に持っているとは限らない。持っているかのようにフェイクの自分を作って生き続ける人もいる。本当には生きがいが見つからない、あるいは定まらな人たちの中で起こる葛藤を、平成世代のもつ空白感のようなものと合わせて表現しています。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事