すごいトシヨリBOOK 池内紀 (著) 毎日新聞出版 (2017/8/11) 1,100円

ドイツ文学者の楽しく老いる極意

老いにあらがわず、老いを受け入れて、自分らしく楽しくトシをとろう。

そう決めた著者は、70歳になったとき、「すごいトシヨリBOOK」と名付けたノートをつくり、老いていく自分の姿を記録しはじめた。

もの忘れがふえたり、身体が言うことをきかなかったり、そんな自分と向き合いながら、老人の行動をチェックするための「老化早見表」なるものを考案、「OTKJ」(お金をつかわないで暮らす術)といった独創的なシステムや、「せんべいの管理」で生活にメリハリをつける方法を生み出したり、楽しく老いる知恵と工夫を日々研鑽している。

膨大な観察記録から生まれた、抱腹絶倒・池内流「老いの哲学」。リタイア後を豊かに生きるヒント。

「残された人生をどう生き、どう結末を迎えるか。これほどまで、自分の考えを述べたのは初めてです」

◎心はフケていないと思うこと自体がフケているしるし
◎心がフケたからこそ、若い時とは違う命の局面がみえてくる
◎トシヨリをトシヨリにさせようとするのは、人間だけではない
◎記憶が脱落するのは一種の恵み
◎群れるのをやめて自立する
◎自分の居酒屋、自分の蕎麦屋を持つ
◎老いてからの旅行は一日余分に日を用意
◎治らない病気は治そうとしない
‥‥‥ほがらかに老いを楽しむノウハウが満載!

「読書感としては、著者とほぼ同年代の一人として、「共感するところが多くありました」ただ、「至れりつくせり」の著述であり、一気に読破して少し疲れを感じました。ここであれこれ読書感を申上げるのだけの見識を持ち合わせていないので控えさせて頂きますが、敢えて一つだけ取り上げるなら人生を卒業する真際の望ましい在りようとして「尊厳死」を提起されていることです。これに大いに共感します。数十年も前の事ですが、身内に末期患者をかかえて病院に治療をお願いしました。しかし最終的には病院は人工呼吸器の装着の延命治療を施しました。患者は人工呼吸器のために口を利くことが出来ないまま最後を迎えました。実に悲惨そのものでした。病院は治療するところですから、一日でも一時間でも延命させることが使命です。しかし患者が末期の段階で回復は不可能であるならば、尊厳死が認められることが望ましいと考えます。この「すごいトシヨリBOOK」の一読をお奨めします。」

「トシヨリの心得といったものが、著者らしくいかにも合理的に、簡潔に、そして具体的に綴られている。ここ二年ほど、この本を生き方の”バイブル”にしていた。著者の訃報を知り、今改めて読み返している。ある意味、著者の自由な生き様をうらやましく思っていた。何と悲しいことよ・・・・・。」

「そして、風の如く去って(消えて)行くのだ。私達年寄りの自覚を促す楽しい本でした。今の生き方を検証し、残り少ない人生を悔いなく過ごす参考書です。」

「ドイツ文学者のエッセイです。とても面白く一日で読了、友達にも勧めています。70歳以上のひとにお勧め、逆説的な年寄り論が「目から鱗」でした。」


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