筑豊のこどもたち 土門拳 (著、写真) 築地書館 (1977/7/21)

1959年暮れの九州 筑豊炭田の厳しい現実を、こどもたちの動作や表情を中心にとらえたリアリズム写真の名著。

1960年にざら紙に印刷されたベストセラーを、17年後にダブルトーン印刷、ハードカバーで復刻した戦後写真界の巨人・土門拳の原点ともいうべき作品。

著者について
1909年、山形県生まれ。1943年のアルス写真文化賞をはじめ、受賞多数。
1979年に脳血栓で倒れ、11年間の闘病生活の後、1990年に80歳で死去した。
社会派リアリズムを確立した戦後写真界の巨人であり、日本の伝統文化、風土にも熱いまなざしを注ぎつづけた写真家としても知られる。

「この写真集に出てくる二人の姉妹は、間違いなく「となりのトトロ」に登場する「さつき」と「めい」です。宮崎駿さんはこの写真集をみて二人のキャラクターを作られたと思いました。私は教えることを生業としています。以前生徒に「私の若い頃にはこういう子供達がいたよ」と口で言っても通じなかったのですが、この写真集を見て子供たちの顔つきが変わったのを覚えています。やはり映像によるインパクトは大きいと思います。」

「僕自身筑豊のこども達です。イヤー懐かしいです。宝物として後生に伝えたいですね。」

「昔持っていたのですが、引っ越しなどのどさくさにまぎれてなくしてしまい、やはりまた欲しくなって買いました。昭和の筑豊は、石炭産業がだんだん石油にとってかわられる時期で、経済的に低下してしまっていました。その中で必死に生きる子供たちの姿があますところなくとらえられている素晴らしい作品です。表紙のこの子が、今頃どんなおばあちゃんになっているのか、思わずその後の人生を想像してしまうような渾身の作品がいっぱい詰まっています。」


(↑クリックするとAmazonのサイトへジャンプします)

 

おすすめの記事