罪なき子 小杉健治(著) 双葉社 (2021/6/10)

凄惨な通り魔殺傷事件が起こった。青年が次々と人を襲い、男女二名を殺害し、ほか二名を傷つけた。

青年は死刑囚の息子で、加害者家族への嫌がらせのため、生きる希望を失い犯行に及んだと供述している。

青年の心の闇に興味を抱いた水木弁護士は弁護を買って出たのだった……。

「話しの展開は小杉作品らしいテンポで進みます。殺された二人が不倫関係にあったことや犯行の背景はなかなかの発想です。ネット社会は加害者のプライバシーも残酷に白日の下に晒してしまう、それはこの小説の中だけのフィクションではないことを我々は知っています。こういう作品が警鐘になることは果たしてあるのでしょうか。」

「今、若手作家が社会派ミステリの力作を次々と物しているが、小杉健治を読むと、まだまだこの安定感には及ばないな、と思う。ミステリ的興味と小説的カタルシスが直結していて、見事。」

「凄惨な通り魔殺傷事件の犯人は、死刑囚の息子だった。青年は加害者家族への嫌がらせのため、生きる希望を失い犯行に及んだと供述しているが、果たしてその真意は…。世間の加害者家族への反応はとても厳しいもの…本編でも触れているが、その末路はとても悲惨である。これでいいのか…と考えさせる作品でした。」


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