
人生いくつになっても、やるか、やらないか、だ。
50代のピアノ初心者のヤクザライターが音楽教室にかよったら、人生が変わった!
心に燻る火があるなら、躊躇なく牢から脱獄すればいい。
歳を取っているなら好都合だ。喜びを味わう感度は、手持ち時間の少なさに比例して増大する。
初体験の感動は若いときより大きいだろう。
ビギナーだから世界が矮小で、成果が小さいわけでもない。
いつもの散歩道にある自然だって、一生かけても味わい尽くせないほど変化する。
初心者用の教則本の中にだって、音楽家たちが見つけた宝石のような美しさがぎっしりと詰まっている。
――〈増補より〉
潜入ルポで知られるライターが新たに踏み込んだのはピアノ教室だった。
とはいえ、闇をあばくわけでなく、52歳にして、純粋に楽器を習い始める。
「練習すれば、弾けない曲などありません」というレイコ先生とのレッスン。
たちはだかるABBA『ダンシングクイーン』。
動け俺の10本の指。
発表会の結末は……。
ピアノには人生を変える力がある。あなたにとってのピアノを探せ!
解説 通崎睦美
【目次】
まえがき
Prelude シネマでABBAが流れたら――ライターズ・ハイの涙
Op.1 グランド・ピアノと九ミリ弾――レイコ先生との出会い
Op.2 ロール・オーバー・ベートーヴェン――初めて曲を弾く
Op.3 憎しみと? 愛のテーマ――マイ・ピアノを買う
Op.4 仁義なきピアノ史――ファミリーの系譜
Op.5 よい集中!!――予習、復習、ひたすら練習
Op.6 強く弾きたいと思うこと――ABBA――ときどき抗争
Postlud トイ、トイ、トイ ― 舞台ソデの魔法
あとがき
増補 団地の子とホームパーティー――自分を見直すレッスン
著者について
鈴木 智彦(すずき・ともひこ)
1966年、北海道生まれ。日本大学芸術学部写真学科除籍。雑誌・広告カメラマンを経て、ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めたのち、フリーに。現在は週刊誌や実話誌を中心に暴力団関連記事を寄稿する。趣味は料理と自転車(愛車はランドナー)。2018年10月、未経験でピアノを習いはじめる。2019年12月、ピアノ教室主催の発表会に出演し、ABBA『ダンシングクイーン』を演奏する。著書に『サカナとヤクザ――暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』(小学館文庫)、『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文春新書)、『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(文春文庫)など多数。
「ピアノを夢中になって学び、弾けるようになることを喜ぶ、なんとも心温まるエッセイでした。
こういう衝動はどこからうまれてくるのだろう? 私もヤクザの取材をすればピアノが弾きたくなるのだろうか? 心からやりたいことがある、っていうのは羨ましいなあ、と思います。著者がヤクザ関係のルポライターであり、ピアノの合間に挟まるヤクザ取材のあれこれの話が、この本独特のアクセントになっています。
日常的にピアノ練習をすることと並行に、日常的にヤクザ取材をする心持ちについて、著者の他の本よりは軽いタッチで書かれているのが、面白かったです。」「積読チャンネルというYouTubeでおすすめされていて、興味を持ち読みました。
ピアノ用語を通じてヤクザ用語が学べ、ためになりました。
昔ピアノを習っていたので、発表会もろもろのストレスには共感しました。。ヤクザ稼業に関わる方でさえいままでに経験したことのないストレスである、ということにある意味ホッとしました。子育ても落ち着いてきたので、ピアノレッスンを再開しようと思います。」
「大人になってからピアノを始めた人も、子供の頃からのピアノ経験者も、膝を打って「そうそう!」と大きくうなづきながら、あっという間に読んでしまうと思う。」
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