汚れた「平和の祭典」 2022年北京オリンピックをボイコットせよ 井沢元彦(著) ビジネス社 (2021/6/23)

人権侵害、監視、そしてウイグル族等に対するジェノサイド……。

世界が声を上げ始めた北京オリンピックのボイコットの正当性、歴史的意味合い、そして日本がとるべき針路について、ご存じ井沢元彦が正論を問う!

冬季北京大会が成功裏に終われば、中国の対外侵略や人権弾圧に、よりいっそうの拍車がかかるのは、目に見えている。

世界のお墨付きを得たと、自信を深めるからだ。

これが、人類がかつて見た光景と重なって見えるのは、私だけではないだろう。

歴史を知るということが、いかに大切なことか。

ナチス・ドイツが愚挙に出るきっかけを与えた、過去の二の舞いを演じてはいけない。

<本書の構成>
序章 なぜ、中国は人類にとって「危険な存在」なのか?
いつまでたっても中国に民主主義が根づかない根本要因とは?
知的エリートの心情は、いまだに孔子の教えである「孝」
朱子学によって強化された「独善性」が裏目となった清朝の滅亡
ふたつの北京オリンピックの先に待つ、習近平政権の最終目標とは?

第1章 北京オリンピックをボイコットすべき「たったひとつの理由」
「新たな悲劇」を生み出す中国でのオリンピック開催
「中共にプロパガンダの勝利を与えてはならない」
ベルリン・オリンピック成功の裏で、着々と進められたホロコーストへの道
なぜチャップリンの『独裁者』は、アメリカで散々批判されたのか?
2022年北京大会ボイコットへの世界的な流れは止まらない
大虐殺事件と五輪開催をめぐるアメリカ人政治家の生の声
北京大会とベルリン大会に共通する、ふたつの大きな特徴
ヨーロッパへと飛び火したトランプ政権の置き土産
もはや高みの見物など許されない同盟国・日本がとるべき態度
モスクワ五輪以外にもあったオリンピックボイコットの歴史

第2章 中国で進む少数民族に対する「ジェノサイド」の実態
民族弾圧の実態を満天下にさらしたチベット人の勇気と悲哀
「大一統」と社会主義から生まれた、少数民族への絶え間ない迫害
チベットもウイグルもモンゴルも「異民族ではない」という独善的な中華思想
同じ仏教徒として意地を見せた善光寺に対する嫌がらせの数々
いまだになされていない、中央政府とチベットとの歴史的和解
ダライ・ラマが屈辱を感じた「和平解放」という名の「力による支配」
「オリンピックには反対です。チベット人がオリンピックを祝う理由はありません」
思考力と希望を奪う恐るべき労働改造所の実態
日本人監督が解き明かした、チベット人が「抗議の焼身自殺」をする理由
人間としての尊厳を奪い取るウイグル族への異常な弾圧
中国政府が最も恐れる「東トルキスタン」の独立運動
少数民族迫害の根底にある漢民族の身勝手な「復讐主義」
すでにジェノサイド裁定されていた、法輪功への迫害と「臓器狩り」
モンゴル語をこの世から消し去る、2021年全人代での同化政策強化
人権侵害を理由とする制裁を、日本だけができない根本要因

第3章 中国の近現代史に秘められた「差別、暴力の源流」
殷・周の時代から現代まで、まったく変わらない「恩知らず」な行状
あるアメリカ人外交官が記録した、「恥」の概念なき中国人の性質
被害者と加害者を巧みにすり替える、西部劇映画と中国〝正史〟の共通点
自壊した国民党軍と焼け太りし続けた共産党軍
流血の戦闘行為と化した「農業税」という名の現物収奪
自発的どころか超強制的だった、軍による兵士と食糧の戦時徴発
ある日本人女性地主が書き残した、文革から現在に至る暴力支配の根源
国よりも共産党が上に立つという摩訶不思議な支配体制のワケ
あいまいなまま今日まで続く党、軍、国家の異様な三角関係
党が判断に1センチ間違えば、たちどころに国家は1メートル過つ
いまだに〝党の軍隊〟の基盤となる「銃口から政権が生まれる」という真理
社会のそこかしこに組み込まれた、党による監視と密告のシステム

第4章 ウイルス以外にも世界に拡散する「中国産の害悪」
もはや安全保障の脅威と化したルール無用の経済・外交政策
習近平の人格を決定づけた文革による「いじめ」と「下放」
少数民族に融和的だった父と「中華帝国皇帝」となった息子
天気から風向き、波の高さまで、1日18回も尖閣情報を流す福建省のラジオ局
「尖閣諸島問題については、今回は話したくない」と語っていた中国
一帯一路とAIIBが生み出す「債務のワナ」と「中華帝国の偉大な復権」
常識の通用しない隣国に対し、スパイ防止法すらない日本の悲劇
まさに「他山の石」とすべき風前の灯火となった香港の自由
強制退去も連行も自由自在、海の上に勝手に線を引く「中国海警法」
国際ルール無視を加速させる、100年以上にわたる被害者意識
天安門事件の2年前に中国が予告していた、香港動乱に対する人民解放軍の出動
「高度な自治」の最後の一撃となる、雨傘革命から続く大陸政府への抗議デモ
選挙制度の〝改悪〟と恐怖の国安法で、崩壊寸前となった香港の民主派勢力
普通選挙の可能性を完全に否定した、習近平流「一国二制度」への変貌

終章 追悼 李登輝元台湾総統との特別対談
「台湾の選択、日本の将来」


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