大学時代までラグビーをやっていた山中伸弥は、平尾誠二にずっと憧れ続けていた。
ついに叶った対面。友情を温める二人を襲ったのが、平尾誠二のガンという悲劇だった。
山中が平尾の闘病に寄り添っていたという事実は、生前はほとんど知られていなかった。
本書は、その二人の出会いから死別までを追う、感動のノンフィクションである。
「全く同じ学年のお二人には、この本が出る以前から、とても親近感を感じていました。平尾さんについては、同志社大学、神戸製鋼でプレーをされていた頃、何度もライブで試合観戦をしていたくらいのファンでした。彼の訃報に接し、とても悲しかったです。そして山中先生については、自分が勝手にマラソンのライバルと目しています。2015年の京都マラソンでは40km過ぎで抜かれ、山中先生はサブ4、私はサブ4ならずで悔しい思いをしました。同じ2015年の大阪マラソンでは同じ赤組だったので、御堂筋の上でハイタッチを交わし、その後先生には抜かれることなくゴール。ただその年は、平尾さんの病気を知った直後だったようでう。そして2017年の京都マラソンで先生はサブ3.5で私はいまだにサブ3.5ならず。会って話をしたことはないですが、そんな感じでライバル視しています。
お二人は、本のタイトルになっている「友情」という言葉でさえも安っぽく思えるくらいの、心と心のお付き合いだったようですね。友のために尽くす、というのも人生の選択肢の一つである、と思いました。」「平尾誠二さんと山中伸弥さんという、各界のスーパースターと言えるお二人の深い友情の話。同年代であるお二人が出会ってから、平尾誠二さんが癌でお亡くなりになるまでの間に育んだ絆。大人ゆえ、寄りかからない。強い結びつきゆえ、魂を込めて助け合う。幼馴染とも違う、大人の友情。友情とは、実は、こうした始末のつけられる大人の間で成り立つ関係なのかもしれません。格好いいよね。」
「専門とする分野はかけ離れているが、超一級の人間同士の友情は、実にうつくしい。事実だけに友情の何たるか、実に重いものを感じさせる。ノーベル賞の山中さん、平尾さんの分まで頑張って、iPSを早く臨床にまで応用してください。」
|