上野公園のベンチで偶然、出会った喜和子さんは、作家のわたしに「図書館が主人公の小説」を書いてほしいと持ち掛けてきた。
ふたりの穏やかな交流が始まり、やがて喜和子さんは終戦直後の幼かった日々を上野で過ごした記憶が語るのだが……。
日本で初めての国立図書館の物語と、戦後を生きた女性の物語が共鳴しながら紡がれる、紫式部文学賞受賞作。
#文春文庫 #新刊
今日は文春文庫の新刊発売日。
今月は大好きな
「夢見る帝国図書館」中島京子
が文庫になった!
図書館好きな人、文豪好きな人はもちろん、
戦後の厳しいときを一人の女性がどうやって生き抜いてきたか、
発展と成長のために私たちが排除してきたものは何か、考えたくなる一冊! pic.twitter.com/i9uGMPsSP5— TSUTAYAウイングタウン岡崎店(書籍) (@imaginewtokzk) May 10, 2022
「語り手が上野公園で出会った喜和子さんという女性の人生をめぐる謎と、明治5年に創設され、戦後、国立国会図書館に改組されるまで続いた帝国図書館の物語が、しだいに絡み合っていき、最後に溶けあう構成が見事である。
話が進むにつれてジェンダー・セクシャリティと平和という2つの要素が強まってくるが、決して説教臭くない。発禁になる書物同士が悲憤慷慨する箇所など著者のユーモアは健在。
図書館が大喜びして蔵書に加えるだろう。」「小さいころからよく行く上野のことやその歴史を興味深く読ませていただきました。そしてもう一つの喜和子さんの人生についても引き込まれてしまいました。読んでよかったです。」
「面白い形態の文章でした。図書館の歴史を知ることもできるのですが、その時代の背景の喜和子という登場人物の目線から描くのもとても面白かった。図書館の歴史を知りたい人、ある時代を強く生きぬいた、ある1人の女性の物語を読んで感動したい人にオススメです。」
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