バイクのスポークホイールは時代遅れ?なくなっていくの??
Autodesk VRED Professional 2019.2 Date: 2019/09/11 19:15:55 Simulation time: 18615.3 System time: 14611.9 Frame: 0

時代遅れ?

バイク「スポークホイール」はなぜ消滅しないのか

スポークvsキャスト

一般的なバイクの部品点数は600~1500点、自動車は約3万点といわれるのに対し、バイクの部品点数はそれほど多くありません。

バイクはカスタマイズ性が高く、好きなパーツをアフターパーツに交換してバイクライフを楽しんでいるユーザーも多い。

そんなバイク部品のなかでも、外せない重要パーツが「ホイール」。

ホイールには大きくわけて

・スポークホイール
・キャストホイール

の2種類があります。

スポークホイールは、リムとハブを太い針金のようなワイヤースポークでつないだものです。

一方、キャストホイールは鋳造によって製造されるもの。

スポークホイールの方が歴史は長いですが、性能はキャストホイールに劣るといわざるを得ません。

スポークホイールは剛性が低く、当初は有利だった重量もキャストホイールの進化とともに優位性を失っています。

いわば、“旧式”のホイールなのです。

例えば、車体構成がほぼ同じでスポークホイールとキャストホイールの両方が用意されているスズキのVストローム650と650XTの場合、

スポークホイール装着の650XTが215kgなのに対し、キャストホイール装着の650は212kgで、

スポークホイール装着モデルの方が重いのが一般的です。

それなら、スポークホイールはとっくの昔に姿を消しているはずなのですが、どっこい生き残っているのです。

新進気鋭のキャストホイールに“旧式”のスポークホイールが淘汰されないのはなぜなのでしょうか。

スポークホイールが生き残った理由

スポークホイールが今日まで生き残ってきた理由のひとつは、その「柔軟性」にあります。

大きな衝撃が加わると、ホイールはたわむことで衝撃を吸収するのです。

この特性により、スポークホイールは今でもオフロードバイクに標準装備されています。

ジャンプからの着地やでこぼこした地形を走らなければならないオフロードでは、ホイールの剛性よりもスポークホイールのクッション性の方が重要なのです。

もうひとつの理由は、“旧式”だからということです。

ヴィンテージ感やクラシック感を演出できる。性能とは関係ありませんが、車両の雰囲気やイメージは重要。

ヴィンテージのハーレーダビッドソンにレーシングホイールを履かせたら敬遠されるでしょう。

カワサキのW800は新車時からスポークホイールを採用しており、1966年発売の「650-W1」の流れを汲んでいます。

商品ページでも「誕生からやがて60年になろうかというそのスピリットを受け継いだW800は、トラディショナルなデザインで、独自のテイストを漂わせています」と紹介されているのです。

ワイヤースポークホイールと細身のタイヤが“往年のビッグバイク感”を醸し出しています。

メッキ調のオプションパーツも多数用意され、クラシカルなワイヤースポークの雰囲気そのものがこのモデルの特徴のひとつとなっています。

剛性や重量などの基本性能ではキャストホイールに劣るスポークホイールですが、高い衝撃吸収性能とクラシカルな雰囲気を活かして現代に生き残っているのです。

新構造で性能向上

スポークホイールは、基本性能でキャストホイールに劣ることに満足しているわけではありません。

スポークホイールの性能向上への努力は続いています。

軽量化と剛性アップのためにアルミリムやステンレススポークが登場しました。

また、スポークがリムを貫通する構造上、チューブレスタイヤに対応できないという“弱点”を克服するため、新構造を採用した「クロススポーク」というホイールもあります。

BMW R1250GSは、リムの両端にリブを設け、そこにスポークを張ることができます。

スズキVストローム1050と650のXTシリーズは、リムの内側にリブがあり、そこにスポークを張ることが可能。

これにより、リムにスポーク用の穴を開けなくてもチューブレスタイヤを装着できます。

バイクライフを彩る個性

長年モーターサイクルを支えてきたスポークホイール。

“柔軟性”は弱点であると同時に、唯一無二の特徴でもあるのです。

この特徴は、オフロードバイクでは今でも必要とされています。

ロードバイク市場では、剛性・軽量性に優れたキャストホイールがシェアを握っていますが、バイク黎明期からの歴史を持つ、クラシカルな雰囲気も愛されているのです。

スポークホイールがすぐに姿を消すことはなさそうで、バイクの楽しみ方は人それぞれ。

キャストホイールの性能を活かして愛車の性能を向上させるのも楽しいし、

スポークホイールのクラシカルな外観を活かして愛車を仕上げる、磨くのも楽しいものがあります。

スポークホイールとキャストホイール、それぞれ違った個性がありますが、

それぞれの個性を生かしたホイールを選んで、バイクライフを楽しんではいかがでしょうか。

ネットの声

「単車に乗らない方には理解し難いが、スポークホイールの方が柔らかい『気』がします。実際には微々たる物でしょうが、その違いは好みで評価は大きく変わります。
例えて言うなら再び理解し難い例で恐縮だが、松葉づえなどはフィーリングが似ています。アルミ製の松葉づえと木製の松葉づえでは、アルミ製は軽量だが使い心地が固いのです。木製の松葉づえは僅かなしなりを感じて柔らかい穏やかな使い心地です。
だから理想はオプションで良いから、スポークホイールを選べれば嬉しいです。」

「若い頃W400乗ってたけど、スポークホイールはなんと言っても古臭くて美しいのが良いもんな。チェーンからの油が飛んだりで汚れが溜まりやすいのに除去しにくいっていうデメリットもあるけど、それを丁寧に除去して行くのも楽しみの一つだった。」

「若かりし頃の定番は、スポークホイールにアルミリムとダンロップTT100タイヤの換装でした。
ホンダのコムスターホイルや、ヤマハのキャストも魅力的で、過去に沢山乗り換えましたが、ヤマハトリッカーは、オレンジアルマイトリムの魅力で購入したバイクでした。
スポークの掃除や磨きは大変ですが、スポークホイールは無くなって欲しくないアイテムです。」



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