
健康保険証が原則廃止?
マイナンバーカードの「マイナ保険証」3つの注意点
2021年10月から本格的にマイナンバーカードが健康保険証(マイナ保険証)として利用できるようになったことをご存知でしょうか。
日々、活用範囲が広がるマイナンバーカードが健康保険証としても利用できると便利なこともある一方で、注意しておきたい点もあります。
今回は、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる制度の概要とその注意点についてご説明します。
マイナンバーカードが健康保険証に!
マイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みが、2021年10月から本格的にスタートしています。
医療機関受診の際、マイナンバーカードを専用のカードリーダーにかざし、カードリーダーの顔認証または暗証番号の入力によって本人確認を行い、受付をします。
厚生労働省はマイナンバーカードの健康保険証としての利用促進を図る方針です。
2022年5月25日の厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会の資料によると、厚生労働省は医療機関などに対して、必要なシステムの導入を原則として義務づける方針。
また、2024年度中をめどに健康保険証の発行の選択制を導入することを目指すとあります。
さらに将来的には、健康保険証を原則廃止とする方向で調整が進んでいます。
なお、マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、事前登録が必要です。
事前登録は、マイナポータル(マイナンバーカードのポータルサイト)または、セブンイレブンのATMで行うことができます。
①外来需要の低下
②マイナ保険証の義務化による出来高算定廃止とまるめ算定への移行(単価減少)インフレ、競合増、医療費削減圧、オンライン薄利多売大手、ネガティブ要素上げたらきりがない。。
そーとーやべー、開業医の未来?? pic.twitter.com/97lAoe7MBC— A (@Goro82452925) July 15, 2022
マイナンバーカードを健康保険証として利用する3つの注意点
マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、受付がスムーズになる上に、いつでもオンラインで医療費や服用薬および特定健診の情報も確認ができます。
2022年度中には、マイナンバーカード機能をスマホにも搭載できる検討が進んでいますので、今後、マイナンバーカードの利便性はますます高くなるといえます。
しかし、マイナンバーカードを健康保険証として利用する際には、以下のように注意しておきたい点もあります。
窓口負担額が増える
マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みの中で、2022年度の診療報酬改訂で「電子的保健医療情報活用加算」が新設されています。
具体的には、マイナンバーカードを健康保険証として利用した場合、初診で7点、再診で4点(1点=10円と換算)が月に1度加算されるものとされています。
つまり、自己負担3割のケースでは初診で21円、再診で12円の負担が求められます。
一方、従来の健康保険証を利用した場合は「2024年3月31日までの間に限り、3点を所定点数に加算する」とされているため、9円の負担増です。
要するに、マイナンバーカードを健康保険証として使う場合の方が、窓口負担が増えることになります。
月に1度なので、大きな差が生じるほどの金額ではありませんが、このような差があることを知っておきましょう。
紛失・悪用されるかしれない
マイナンバーカードには、顔写真付きで住所が記載されている上、様々な個人情報が紐づいています。
もちろん、マイナンバーカードのセキュリティは万全ですし、ICチップにはプライバシー性の高い情報は入っていません。
しかし、マイナンバーカードを紛失してしまったり、マイナンバーカードの暗証番号をうっかり知られてしまったりすれば、悪用されてしまう可能性もゼロではありません。
先にも触れたように、今後スマホにマイナンバーカード機能を搭載できるようにする検討も進んでいますので、利便性が向上する一方で、所有者には持ち歩く際にさらなる管理の徹底が求められるようになるでしょう。
なお、マイナンバーカードの紛失の際には再発行手数料がかかりますし、受け取るまでに1~2か月程度時間を要します。
その間、マイナンバーカードはもちろん、マイナンバーカードを健康保険証としても利用できない点にも注意が必要でしょう。
新居に転入するにあたりDV・ストーカー・虐待等の支援措置制度(住民票の閲覧制限など)を受けるために役所に行ってきたのだけど、マイナンバーを保険証にすると加害者が医療関係者の場合情報漏えいの危険があるからしないようにと役所に言われる。え…マイナ保険証義務化したらどうなってしまうの…
— 断崖みさき??(元:なまぽちゃん) (@DangaiMisaki) July 13, 2022
利用できない病院や薬局がある
マイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みを導入していない病院や薬局はまだ多くあります。
先に紹介した厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会の議事録によると、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みをスタートした医療機関は全医療機関の19%にとどまっています。
ただし、カードリーダーを申込んだ医療機関は、およそ58%となっているので、今後マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関は増えていくものと考えられます。
マイナンバーカードの健康保険証を全ての医療機関・薬局で導入することを目指している2023年3月までは、マイナンバーカードに健康保険証の機能を付帯しても、従来の健康保険証を使う機会もあることには注意が必要です。
先日、定期検診で歯医者さんに行ったけど、マイナ保険証に対応してなかった。保険証紐づけてマイナポイントもらったけど、実際に使えるようになるのはいつなんだ?
— family retire (@familyretire) July 21, 2022
マイナポイントが魅力
マイナンバーカードの健康保険証利用が進むことによって、今後従来の健康保険証が原則廃止になる可能性があります。
また、マイナンバーカードの保険証利用には注意点があることもお伝えしました。
全ての医療機関等でマイナンバーカードを健康保険証として利用できるまでには、今しばらく時間を要すると考えられます。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するための登録をすると、7500円分のマイナポイントが受け取れるキャンペーンも行われています。
ただ、マイナンバーカードの健康保険証が普及していくかは未知数。
今後の導入状況や注意点の改善にも、注目しておきましょう。