【角界のタブー】往年の名大関貴ノ浪の死因は?

多くの人が知っているのになかなか表に出てこないのが角界のニュースです。

これには大きな力が働いているのは間違いないでしょう。

それでも、「貴ノ浪…午前10時のラブホテル…」と言えば知らない人はいないかも。

2015年6月20日の午前10時にラブホテルへ

視線の先にはベッドでうつぶせのパトロン男。

貴ノ浪は腹上死したのです。

幕内勝利数は歴代11位。

往年の名大関の名にふさわしい記録を誇る貴ノ浪こと音羽山親方が鬼籍に入ったのは2015年6月20日のこと。

享年43歳。

しかし、命を落としたのが「午前10時のラブホテル」だったことは報じられず、角界のタブーとなっているのです。

「心臓悪いから、気をつけてたのに、私の上にいたの。“うっ”てうめいて動かなくなったわ。しばらくそのままだったから私、眠ってるのかと思った。でも気がついたら心臓動かなかったし……はぁ……息もしてなかった」

↑こんな証言があったとかなかったとか…

大阪府豊中市走井のラブホテル

中小企業が軒を連ねる大阪府豊中市走井(はしりい)は、伊丹空港から車でわずか5分の距離にあります。

6月20日は、蒸し暑い、うっすらと晴れた朝から始まりました。

午前10時20分ごろ、この町に4軒あるラブホテルのうちのひとつに姿を現したのが、他ならぬ元大関・貴ノ浪(本名:浪岡貞博)こと音羽山親方なのです。

それから何が起こったか――について述べる前に、青森県三沢市に住む彼の母・京子さんの話によると、

「貞博はその前日、奥さんに“友達5人と会ってくる”とだけ言って、大阪へ向かったそうです」

相撲担当記者が後を受け、

「親方一家は、2002年に結婚した6歳上の陽子夫人と、10歳になるひとり娘の3人家族。彼女らは名古屋で生活し、親方は東京へ単身赴任をしています」

ところが、この時点で件(くだん)のパトロン同様に、親方にはひたひたと死神が近づいていたのでス。

「ホテルの部屋は全部で53。取り立てて特徴のない一室で、親方は“大阪妻”とコトに及んどった。それが30分もせえへんうちに状態がワルなって、慌てた女が受付へ連絡を寄こしたんです」

と、大阪府警関係者の一人が次のように打ち明けマス。

「で、ホテルからの119番通報を受け、救急隊4人が向かったものの、時すでに遅しやな。死因は急性心不全やけど、いわゆる腹上死。貴ノ浪は有名人やし、去年から話題の連続青酸不審死事件のこともあって、司法解剖へ回したうえで、薬物検査もした。けど、死因に不審な点はなかったんですわ」

専門家が語る腹上死

在職30年の間に500件以上の腹上死に立ち会ってきた専門家が語ります。

当時の状況を、元東京都監察医務院長の上野正彦氏にシミュレートしてもらいます。

上野医師は、在職30年の間に500件以上の腹上死に立ち会ってきた専門家。

「心室が痙攣した結果、胸を握りつぶされるような激痛が走り、“うぅ”とうめくことしかできない。呼吸困難ゆえに胸や喉を掻き毟ったり、口から血の混じった泡がこぼれることもある。それが30秒弱続いた時点で意識を失い、2~3分したら心停止へ。これ以前に電気ショックを与えられれば、蘇生の可能性があるのですが」

AEDなどの装置を、「休憩3時間で4000円」のラブホテルに望むべくもありません。

ともすると大阪妻と脈搏を共有するほどの一体感に淫していたのに、苦痛に身もだえするはめになろうとは。

映画と違って、随分と凄惨な最期です。

程なく報告を受けた日本相撲協会は、事実をいくぶん糊塗して発表。

それを素直に受け取った新聞各紙は、以下のように伝えています。

〈20日午前10時55分、急性心不全のため滞在先の大阪市内のホテルで死去〉

ホテルの種類や所在地は伏せられましたが、むろん人の口に戸は立てられません。

真相は果たして、関係者の口伝えにどんどん拡がっていったのです。

例えば、突然死から2日後のこと。

名古屋市内で営まれた告別式に集った300人の列席者からは、

「“まだ若いのに残念”などといった声があるなかで、“フクジョウシだってさ”という物騒な単語が飛んでいました」(協会関係者)

もっとも、親方の死は誰しもまさかと思った災難ではありました。

しかしながら、ベテラン記者による次の証言を聞くと、思い当たることの多い事態だとわかります。

よく知られるように、力士とは“病気と怪我の巣窟”ですが、

「そもそも彼は心臓に大きな爆弾を抱えてきた。04年夏場所中の引退は、心臓が止まりかけての“ドクターストップ”によるもの。その2年後には、急性呼吸不全や心房細動などを併発してICUに入りました。この時は心臓が止まり、緊急手術を受けているのです」

それだけに、愛人とラブホテルにしけこむなど、自殺行為ではないでしょうか。

「高を括っていた」

「確かに」

と、これは前出・上野氏の解説です。

「親方は高血圧症や高脂血症などの持病を抱えていたということですから、心臓には常に負担がかかっていたわけです。そのうえ、不倫相手とラブホテルでの逢瀬となると、精神的興奮度が高まり、これまた心臓に悪い。ただ、薬を飲んで病気をコントロールしていれば、彼の若さで急性心不全になることはまずない。本人は“体調は悪くない”と高を括っていたのでしょう」

ひるがえって、先の相撲担当記者が彼の横顔に触れ、

「親方は“宴会部長”とあだ名される陽気な性格で、放っておくとお喋りが止まらない。当然、われわれ記者からも愛されていました。貴乃花部屋に所属する親方として、後進の指導にあたる一方で、その仕事ぶりは協会内で高く評価されてきたのです」

事実、「広報部・記者クラブ担当」なる幹部候補ポストも経験済みだったのす。

「だから」

とベテラン記者が続けます。

「これからの出世は間違いなかった。それというのも、理事長の北の湖がそろそろ退任し、その椅子が八角、そして貴乃花へと引き継がれる流れが固まりつつありますから」

なるほど、協会にとって大きな損失と惜しまれるのですが、遺族にとっての痛みは計り知れません。

大黒柱を喪った悲しみに加え、今際(いまわ)の際に居合わせたのが愛人だったこと。

さらに、その死因を決して口にはできないタブーを抱えたことがのしかかるのです。

改めて母・京子さんは、

「貞博の娘は、“大丈夫。だってお骨になって毎日そばにいるから”と言うのです。東京だ大阪だと、巡業ばかりだったもんでね」

こんな風に、気丈に振る舞う孫を不憫に思って肩を落とすばかり。

とにかくダブル、トリプルでは済まぬ悲劇なのです。

おすすめの記事