2014年のノーベル物理学賞は、青色発光ダイオード(LED)を開発した物理学者の赤崎勇(あかさきいさむ)、天野浩(あまのひろし)、中村修二(なかむらしゅうじ)の3氏が受賞しました。
LEDは身の回りの照明やディスプレイにもたくさん使われているようですが、そもそも青色LEDのすごさとは何なのでしょうか。
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ノーベル賞を受賞した「青色」LEDがすごい理由とは!?
LEDの開発は20世紀半ばに始まり、1962年には赤色が、1968年には緑色が開発されました。
しかし、あらゆる色をつくり出す光の3原色の赤・緑・青のうち、青色の開発だけは遅れていたのです。
光源として用いるには白色が適しているのですが、青がなくては白色を出すのが難しく、照明としての明るさも足りません。
そのため、せっかくのLEDも広範囲には活用できず、青色LEDの開発は20世紀中にはできないだろうと考えられていたのです。
満月が地球の影にすっぽり入る皆既月食。
青色発光ダイオードが光る東京スカイツリー pic.twitter.com/E5HStJ6sOA— 青色LEDを知る (@bluexled) April 24, 2022
ついに青色を引き出した!
しかし1990年代前半、赤崎、天野、中村の3氏が半導体から青色を引き出す技術を編み出しました。
窒素ガリウムを材料として明るい青色を放つことを成功させて量産につなげ、白色光源が実用化されたのです。
素子そのものが光るLEDは、電子機器の小型化・軽量化を可能にしました。
エネルギー損失も少ないので、家庭では省エネの、地球規模では温暖化防止の大きな力となります。
白光をつくり出す新たな方法を青色LEDがもたらしたことは確かだが、
真の違いは「LEDがいかに効率的であるか」という部分にある pic.twitter.com/maYBrkPdoB— 青色LEDを知る (@bluexled) April 24, 2022
人類にもたらされる利益の多さ
また、青色の光は波長が短いので、デジタルデータの書き込みに使えば容量を大幅に増やすことができるなど、青色LEDによって可能になることは多いのです。
地球中でLEDが用いられる場面はますます増えていくでしょう。
青色LEDそのものよりも、開発によって可能になった技術の多さ、人類にもたらされる利益の多さが画期的なのです。