冬はクルマのバッテリーが上がりやすい…上がったらどうしたらいい??

寒い冬はバッテリー上がりが多発。もし上がったときはどうする?

クルマにはエンジンを始動させるため、そしてカーナビゲーションやエアコンの電装品の電源として鉛バッテリーが搭載されています。

この鉛バッテリーが上がってしまった場合の対処法をご紹介します。

エアコンやシートヒーターで冬はバッテリーが酷使される

寒い冬はバッテリー上がりを起こしやすくなります。

その理由は2つあります。

ひとつは、エアコンやシートヒーターなどを頻繁に使うことでバッテリー消費が増えること。

もうひとつは、バッテリー内で起きる化学反応が、低温のために鈍くなることです。

例えば新品のバッテリーでも外気温が0度だと約80%、マイナス20度という過酷な状況では50%の性能しか発揮できなくなります。

これが古いバッテリーの場合、さらに能力が低下するので、外気温の下がる冬はバッテリー上がりを起こしやすくなるというわけです。

冬のバッテリー上がりを防ぐためには、バッテリーを冷やさないようにする工夫が必要で、頻繁な雪かきやボンネットを毛布などで覆うということも効果があります。

ほかのクルマから電気をもらう「ジャンピングスタート」

しかし、運悪くバッテリーが上がってしまった場合は、ほかのクルマから電気をわけてもらい、エンジンを始動させることができます。

これを「ジャンピングスタート」と言います。

ここではバッテリー上がりの対処法の1つであるジャンピングスタートのやり方を紹介しましょう。

冬のバッテリー上がり対策
ジャンピングスタートに使うケーブル。破損がないかあらかじめチェックしましょう。

ジャンピングスタートを行う場合は、救援車とドライバー、そしてブースターケーブルを用意します。

まず作業を始める前にケーブル本体の点検を行いましょう。

皮膜の破損やケーブルの断線。そしてバッテリーの端子を挟むクリップ部にガタがないかを確認します。

問題がなければ、電源を供給する救援車(同じ12Vの乗用車)を用意します。

エンジンを停止させ、ボンネットを開けたら、まず、バッテリーの上がったクルマの+端子に赤いケーブルをつなぎ、そして、その反対側を救援車の+端子につなぎます。

もう1本の黒いケーブルを救援車の-端子につなぎ、最後にバッテリーの上がったクルマの-端子をエンジンの金属部などにつなぎます。

ケーブルを繋ぐ際は順番に注意。

間違えると火花が生じることもあります。

確実につながっていることが確認できたら、救援車のエンジンを始動させます。

この際、AT車はパーキング、MT車はニュートラルに入っていること。

そしてサイドブレーキが掛かっていることを必ず確認してください。

それからアクセルを踏んで回転を高めにキープ。

そしてバッテリーの上がったクルマのエンジンを始動させます。

エンジンが無事に始動したら、ブースターケーブルはつないだときの逆の順番で外していきます。

しかしエンジンが始動できたとしても安心してはいけません。

バッテリーの電力はほとんどない状態なので、エンジンを止めると再始動できないことがあります。

そこでエンジンが掛かったら、しばらくエンジンを掛けっぱなしにしましょう。

そして30分以上走行することでオルタネーター(発電機)による発電を促し、バッテリーに蓄電させましょう。

その後ディーラーやカー用品店でバッテリーテスターでバッテリーの劣化を調べてもらい、充電を行うか、寿命(一般的には2?3年以上)を迎えていれば交換した方が安心です。

ハイブリッド車は救援車に適さない

ハイブリッド車の多くはバッテリー上がりの救援車に適しません。

取扱説明書を確認しましょう。

ジャンピングスタートを行う際に用意する救援車ですが、トヨタ・プリウスをはじめとしたハイブリッド車の多くは適しません。

その理由はハイブリッド車には一般的なクルマに搭載されているセルモーターがないからです。ハイブリッド車はセルモーターの代わりに、充電用のモーターによってエンジンを掛けます。

その結果、電装品が小電力仕様となっているため、ジャンピングスタートの際にセルモーターが回った時の大電力に耐えられないからです。

いっぽうハイブリッド車のバッテリーが上がった場合ですが、ハイブリッド車には電装品に使用されるバッテリーと、ハイブリッドシステム用の駆動用バッテリーの2種類が搭載されています。

電装品用の鉛バッテリーであれば、ジャンピングスタートなどで再始動できます。

しかしハイブリッド用の駆動用バッテリーが上がってしまった場合は、すぐにメーカーのサポートセンターか最寄りのディーラーへ連絡したほうがよいでしょう。

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