いつの時代も論議の的…バイクのすり抜けは違反になる??

右と左、場所で運命が決まる…動いている車をすり抜けるバイクは違反になるの?

車と違って小さくて小回りの利くバイクでは、すり抜けはよく見かける行為です。

前車の左側を抜けて行くこの行為、違反じゃないの?と思ったことはないでしょうか。

すり抜けと似たような動きに「追い越し」「追い抜き」がありますが、それらの違いと合わせてすり抜けに違法性はないか解説します。

すりぬけ、追い越し、追い抜きの違いとは?

動いている車の前に出ることが「追い越し」「追い抜き」に該当します。

「追い越し」とは、進路を変えて右側から進行中の前車の前に出ること。

一方、「追い抜き」とは、進路を変えずに右側から進行中の前車の前に出ること。

違いは、進路を変えるか変えないかということです。

走っている位置を変えずに前車の前に出た場合は、「追い抜き」になります。

禁止されていない道路であれば、追い越しも追い抜きも違反になることはありません。

動いてない車の前に出ることが「すり抜け」に該当します。

渋滞で前車が停車中であれば、左右どちらから追い越しても、すり抜けに該当するため違反にはなりません。

ただし、以下のような場合の追い越し、追い抜き、すり抜けは違反に該当します。

違反となる追い越し、すり抜けとは?

動いている車の左側からの追い越し、追い抜き
前述したように、停車中であれば左右どちらからすり抜けしても違反にはなりません。

しかし、前車がノロノロと動いていて、それを右側ではなく「左側」からすり抜けた場合は違反になります。

追い越しであれ追い抜きであれ、車の左側を通ることは禁止されているためです。

交差点内とその30m以内での追い越し、追い抜き
一般道路では、交差点内は追い越しが禁止されています。

右側、左側問わず前車の前へ出ることは違反です。当然、交差点の手前30m以内で追い越しを始めることも禁止されています。

追い越し、追い抜きなどで路側帯を通行する
一般道路で歩道が設けられていない道路の左側の白線内を「路側帯」と言います。

歩道がない道路では、路側帯が歩道の役目を果たします。

つまり、人が歩く可能性がある場所を、車やバイクが走行してはいけません。

ただし、歩道が設けられている道路の左側の白線は「車道外側線」と呼ばれており、白線の外側も車道なので通行は可能です。

しかし、車道外側線は狭いことも多いため、通行には注意が必要でしょう。

高速道路の路肩を使った追い越しやすり抜けも禁止!

一方、高速道路では歩道が設けられていないので、道路わきの白線はすべて「車道外側線」ということになります。

しかし、故障やガス欠などでやむを得ない場合以外は走行・停車ともに禁止されています。

当然、路肩を使った追い越しやすり抜けをすれば違反になります。

高速道路におけるすり抜けについて、警視庁交通相談コーナーに聞いてみました。

「一般道路よりも高速道路の路肩や路側帯は広くて走行しやすいと感じるかもしれません。しかし、路側帯は車の故障、パンク、ガス欠などやむを得ない場合に一時的、緊急避難的に進入するスペースです。
警察や消防車両の緊急走行にも使用します。高速道路を利用する機会の増える時期には、「徐行すれば路側帯を走行してもいいのですか?」という問い合わせをいただくことが増えます。
しかし、渋滞中であっても緊急性のない場合以外は、絶対に走行しないでくださいと回答しています。
走行が禁止されている場所では思わぬ事故が発生する可能性も否定できません。
一般道路においても、前車の左側には障害物が落ちていたり、滑りやすくなっていたりするかもしれません。
仮にそこが「車道外側線」で通行しても違反にはならない場所だとしても、すり抜けは危険なので控えるように呼びかけています」

追い越し・追い抜き行為、実際に取り締まりされている?

動いている車の左側方を追い越し、追い抜きする行為は違反になるはずですが、検挙されるかどうかは、現場の警察官の判断に委ねられているようです。

そのため、左側に少しでもスペースがあるなら、ドライバーは「バイクがすり抜けてくるかもしれない」と予測しながら走りましょう。

左側方にバイクがいたら、先に通過させた上で、発進や左折するのが最も安全といえそうです。

ドライバーは左側方を定期的に確認しよう!
運転中は定期的に左側方をサイドミラーや目視で確認し、交差点などで停車したら、後ろからバイクがすり抜けてこないかに注意しましょう。

ただし、すり抜けされないために車を左へ寄せすぎていると、障害物に接触したり、バイクと接触する危険があります。

左折時の事故を防ぐために左への幅寄せを行う場合は、縁石との間隔を1メートルくらい開けておくようにしましょう。

左側に少しでもスペースがあるなら「バイクが接近してくるかもしれない」と予測しながら走りましょう。

左側方にバイクがいたら、先に通過させた上で、発進や左折するのが最も安全です。

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