拿捕したアメリカ兵も驚愕 大型潜水艦「伊四百一」竣工-1945.1.8 目指した「東海岸」
旧日本海軍の潜水艦「伊四百一」が1945年の今日、竣工しました。
アメリカ東海岸に到達しそこで水上攻撃機を発進、ワシントンなどを攻撃しようという壮大な作戦を目論んでいましたが、戦局の悪化から計画は頓挫しています。
目次
「伊四百一」は戦略的任務
1945(昭和20)年の1月8日、旧日本海軍の潜水艦「伊四百一」が竣工しました。これは大型の潜水空母「伊四百型」の2番艦です。
「伊四百一」は戦略的任務に従事することを目的に建造されました。
それは、アメリカ東海岸へ乗り込みそこで水上攻撃機を発進し、ワシントン、ニューヨークなど政治や経済の中枢を攻撃するというものでした。
直接の被害は限定的でも、大都市上空に「日の丸」をつけた攻撃機が飛来して爆弾を落とせば、アメリカ世論に大きな影響を与えることが期待できるというわけです。
#おもちゃ撮影会
1/8テーマ「初めて撮ったおもちゃ」
遅刻です すみません???♂?
以前、既に掲載した童友社自動浮沈潜水艦の伊401
その完成直後の画像が最古となっています
2004年6月6日 17時47分となっています
嬉しかったんでしょうね?? pic.twitter.com/r5ZAeclwjm— どーどーの眼の小さな塵 (@o5OUCilIEW2KsRw) January 9, 2022
軽巡洋艦並みの大きさ
「伊四百一」は全長122m、水上排水量3500トンあまり、水中排水量6500トンあまり、航続距離は3万7500海里(約7万km:水上)。
水上攻撃機を3機搭載できます。
これは軽巡洋艦並みの大きさで、通常型潜水艦としては、2012(平成24)年に就役した中国の潜水艦発射弾道弾実験艦032型(NATOコード名「清」、水中排水量6628トン)まで、その記録は破られませんでした。
しかし壮大な作戦とは裏腹に、竣工当時の戦局は悪化の一途を辿っており、とても実行できたものではありません。
計画は中止のうえさらに変更され、本格的な出撃は「伊四百」とともに、アメリカ海軍機動部隊の泊地である西太平洋のウルシー環礁(現ミクロネシア連邦)攻撃となりました。
水上攻撃機を特攻作戦として使用するもので、偽装のため、機体にはアメリカ国籍を示す星条旗が施されました。
2隻は1945年7月23日、青森県の大湊を出撃します。
1945年、昭和20年10月14日
潜水艦「伊401」アメリカ軍により技術調査中の潜水艦「伊401」(40口径14cm単装砲・晴嵐格納庫)。隣は潜水艦「伊14」。 pic.twitter.com/bVc1BFvwHA
— J.WH (@JPNHistoria) October 14, 2021
攻撃を前に日本は降伏
攻撃予定日は約1か月後の8月17日と決まります。
しかしその2日前の8月15日に日本は降伏、攻撃を断念します。
水上攻撃機も実戦に投入されることなく海中投棄され、「伊四百一」と「伊四百」は日本へ帰還することになりました。
その途上、8月30日の明け方、太平洋の三陸沖でアメリカ海軍の潜水艦に拿捕されます。
「伊四百一」はアメリカ軍に接収され横須賀に入港しますが、その際アメリカ軍兵士はその大きさと、潜水艦に航空機を搭載するという発想にたいそう驚いたといいます。
1945年、昭和20年8月30日
第1潜水隊の潜水艦「伊14」「伊400」「伊401」が洋上にて武装解除される。また、第1潜水隊司令 有泉龍之助大佐が潜水艦「伊401」司令室内にて自決。 pic.twitter.com/HR9JsCJP7s
— J.WH (@JPNHistoria) August 30, 2021
ネットの声
「潜水艦三隻分の構造をしていた。まず横に二隻その上に小型潜水艦一隻を乗せ航空機の格納庫としていた。潜水艦二隻分で高さに対する安定的復元力を得ていた。あの格納スペースに航空機3機を詰め込んだ技術は日本人ならではと思う。確か3段階に主翼をたたみ込んだ構造の力作。後のICBMへの発想の原点ともなった。大戦中の我が国の傑作兵器であると評価して良いのではないでしょうか。」
「これだけの発想があって、これだけのものを建造する技術が活かせないのが日本なんだよね。東海岸の空爆攻撃も米国民にはインパクトがあるだろうけども、パナマ運河を攻撃すればもっと大きな衝撃になったんじゃないかな。しかし、これだけの潜水艦を建造してもソ連との関係で水没処分にしたのはもったいないよね。」
「戦後復興出来たのは、戦後直ぐのベビーブームと、これだけの物を作る事が出来た技術力だったからなのに、今は、その両方を失ってしまったね。このまま近々2回目の敗戦を向かえるのか?多少時代を戻してでも、中国やアメリカと伍していける力を発揮出来る環境にして行くのか?今の政府には、そんな力はないか・・・」